アジア圏へ野菜輸出本格化 JA十勝清水町
【清水】JA十勝清水町(今野典幸組合長)は、清水産野菜3種類の香港、シンガポール向け輸出を本格化させている。沖縄県の卸売業者セプタと連携、鮮度を保持する特殊なフィルムを使って梱包(こんぽう)し、空輸により現地に届けている。同JAは「安定した出荷を続け、産地としての知名度や生産者の所得向上につなげたい」としている。(吉原慧)
5月から開始した。輸出する野菜はアスパラガス、ブロッコリー、ネギの3種類。現地のドン・キホーテの生鮮食品売り場で販売している。
同JAは2023年に、香港の食品展示会に農産物を出展。興味を示した企業の仲介で24年1、2月、インドネシアの日本料理店で1カ月間、清水町フェアを開催した。
これらの海外事業に着目したセプタと連携を進め、昨年秋、香港市場に向けてネギを試験的に輸出。野菜の品質や鮮度を保持する梱包技術、輸送ルートを確認した。
3品目は新千歳空港から沖縄を経由し、香港、シンガポールに航空機で輸送する。輸送期間は約5日間。同JAは「生産者が育てた野菜を新鮮な状態で食べてもらえる。北海道らしさを感じてもらえるのでは」とする。7月までの3カ月間で、計3・8トンを出荷した。
今野組合長は「品質や生産技術が評価され、改めて清水町農業の基盤の強固さや可能性を感じることができた」と強調。セプタの前原信仁副社長は「北海道という大産地から、農産物を短期間で輸送し品質を保持する取り組み。さらに発展することを期待したい」としている。