更別農高、産学連携発信の拠点校に 道教委プロジェクト
【札幌】道教委は、専門高校と産業界の連携強化を支援する「北の専門学校ONE-TEAMプロジェクト」に取り組んでいる。道教委に産学連携コーディネーターを配置して連携を促進するとともに、更別農業高校など圏域ごとに4校を拠点校に指定し、効果的な取り組みや成果を広く発信する。(大海雪乃)
イベントなどを通じてつながりを強化するとともに、専門高校の価値や魅力を発信し、地域の担い手となる産業人材の育成を目指す。各地の拠点校の発信を通じ、道内68の公立専門高校に展開していく。産業人材を育てる教育の充実を目指す文部科学省の「マイスター・ハイスクール普及促進事業」(2024、25年度)の採択事業。
拠点校は、24年度は1校で、今年度は、道東は更別農業、道央は小樽水産、道北は旭川商業、道南は室蘭工業の4校。更別農業は企業と連携した商品開発や、ドローンの農薬散布で旭川工業高校と学科をまたいだ連携をしている。
各圏域では拠点校を中心に、産学連携の意義や方法について理解を深めるシンポジウム、職業人の指導による授業を視察して意見交換を行うフォーラムなどを開催。道教委では、謝礼金なしで出前授業が可能な職業人のリストを作成したり、新たな産業や専門高校への理解を促進するガイドブックを制作したりして、中高生や経済団体に配布する。
道内では次世代半導体製造拠点の立地や農業のスマート化など、産業構造が変化。専門高校では、産業界の先進的な取り組みを学ぶ必要性が高まっている一方、連携の進め方が分からない、教員が多忙で調整できないことが課題となっていた。
今回のプロジェクトを通じ、産業界と連携・協働体制を組織的に構築できている専門高校の割合を、23年度の7%から今年度50%とすることなどを目標としている。道教委高校教育課は「産業界では人手不足が課題となる中、互いにウィンウィンな形で産業の活性化を図りたい」としている。
24日シンポジウム 申し込み4日まで
道教委は、帯広市内の帯広信用金庫中央支店で24日に開催する「産学連携シンポジウム」の参加者を募集している。道東拠点校の更別農業高の事例などを紹介する。対象は専門高校の教員や産学教育に関心のある教育関係者、企業・団体の関係者など。締め切りは4日。
同校生活科学科2年の安田恋音さんが「学科間連携による学びから私たちが得たこと」、帯広信金地域サポート部考査役の清水豊さんが「産業界から見た産学連携の意義」と題して発表するほか、専門高校3校の教員・生徒と産業界関係者によるパネルディスカッション、持続可能な産学連携に向けた協議などを行う。申し込みは道教委のホームページから。