道内初、郵便局が「まちの保健室」に 更別2局でスタート
【更別】郵便局を拠点にコミュニティナース(コミナス)が健康相談に応じる「まちの保健室」事業が、更別村内の2局でスタートする。事業主体の村と、協力するCNC(島根県、矢田明子代表)、日本郵便北海道支社(札幌市、淨土英二支社長)の3者が7日、連携協定を締結した。郵便局と連携したまちの保健室は道内で初の試み。
村には2022年から、地域の人と人とのつながりづくりを担うコミナス3人がCNCから派遣されている。うち2人は今年、村により密着した活動を目指し、新会社「まめーず」を立ち上げるなど活動の幅を広げている。
まちの保健室は更別、上更別の両郵便局で実施。各局の一角で、コミナスが定期的に村民の健康や生活に関する相談に乗る。郵便局をコミナスの新たな拠点とすることで、これまで関わることのなかった村民と接点を持つことを目指す。血圧など健康データの測定も行い、必要があれば医療機関や村の支援につなげる。
村役場で行われた連携協定締結式には西山猛村長、矢田代表、日本郵便北海道支社の横井清孝地方創生担当部長が出席し、協定書にサインを交わした。西山村長は、20年からまちの保健室を実施している島根県雲南市を今年4月に視察し「地域課題を地域で解決する連携ができる」事業だと実感。「住民の健康管理と人とのつながり構築を、3者の強みを発揮して進めていく」と述べた。横井部長は「連携を図りながら地域の皆さまのお役に立てるように取り組みたい」とあいさつした。
矢田代表は「郵便局は村民が元気なうちから接点を持てる場所。郵便局が持つ人とのつながりとコミナスの取り組みをコラボレーションすることで、村民が豊かで健康に過ごせる時間を増す機能強化につなげたい」と抱負を述べた。
協定期間は27年3月31日まで。事業はデジタル田園都市国家構想交付金(地方創生推進タイプ)を活用して実施する。(近藤周)