デフバスケ女子日本が大勝で4強 次戦初のメダル懸けウクライナと再戦
【東京】「東京2025デフリンピック」で、帯広聾学校教諭の坂本知加良(ちから)さんがヘッドコーチ(HC)として率いるデフバスケットボール女子日本代表は21日、都内の大田区総合体育館で行われた決勝トーナメント初戦でオーストラリア代表と対戦、98-53で大勝して4強入りした。初のメダルを懸けた23日の準決勝は、予選リーグで勝利したウクライナ代表と戦う。
危なげなく白星を決めた。オーストラリアは昨年の「アジア太平洋ろう者バスケットボール選手権」で勝利したことのある相手だが、当時から同国のメンバーが替わっているため、全員が新たに気を引き締めて臨んだ。「序盤からハードなディフェンスで当たることができ、シュートも入っていたのでプラン通り」と坂本さんはダブルスコアに近い結果を高く評価する。
立役者の一人、豊里凜選手(23)は、第2クオーター終了直前にスリーポイントシュートを決め、自身の「サインネーム」(特定の個人を表現する手話)を豊里の地元沖縄から応援に来ている観客席の友人たちに掲げた。「昨日の夜にLINEで『スリーポイントを決めたらやって』と連絡が来ていた」ことから有言実行。晴れやかな笑顔を見せた。
次戦のウクライナは、予選リーグで80-62で勝った相手。ただ、前回対戦から再度対策を練ってくる可能性も高い。坂本さんは「自分たちも前回で課題となった入りの部分などを修正していく」と万全の態勢で挑むつもりだ。
準決勝は一層注目度も高まり、3連休ということもあって観客の増加が予想されている。「全国各地から集まってきてくれると思う。しっかりみんなが良いパフォーマンスをできるように支える。観客が選手のプレーを見てデフや共生社会について少しでも考えてくれたら」と坂本さん。豊里選手も「自分が出ることによって、耳の聞こえない子どもたちに勇気やエールを与えたい」と、強い気持ちを持ってメダルの懸かるコートに立つ。(山田夏航)

























