いちまるホールディングカンパニー70周年 豊かな地域社会の架け橋に~先読み新年号
いちまるグループ代表取締役社長 加藤祐功(かとう・ゆうこう)(64)
統括マネジャー 加藤崇祐(かとう・そうすけ)(34)
逆風に歩み止めず柔軟性で価値創造
長きにわたり地域の台所を支えたスーパー「いちまる」。惜しまれつつ閉店するも、「いちまるグループ」は飲食や日用品店のフランチャイズ(FC展開)、不動産、十勝産乳製品製造販売とECサイト運営などを通じ、今も地域の暮らしに貢献し続けています。
同社は1955年、加藤祐功社長(64)の祖父とその父が帯広市西5南25に構えた「加藤商店」がルーツです。父・仙之助氏が都市化の波に乗って業績を拡大。69年にはセルフサービス式の「一丸センター」へ業態を転換し、「いちまる」になってからは店舗数も急増。十勝・帯広を代表するスーパーマーケットへと成長しました。
こうした発展を間近で見て育った祐功社長は、関東のスーパーでの武者修行を経て入社。父譲りの才覚を発揮し、89年には帯広初の「サーティワンアイスクリーム(以下31)」のFC運営に着手します。「31本部から何度も断られる中、社内でも役員たちからも反対を受ける。しかし、父だけは『新しいことをしなさい。よそとの差別化にもなる』と背中を押してくれました」。その後、経営を引き継ぎ、98年には売り上げ100億円を達成。
一方、前身設立から60年目の2015年、スーパー事業から撤退し、全14店舗をイオン系列に譲渡する大転換期を迎えます。「苦渋の決断でしたが、地域の雇用と会社の将来を考えればこそ。時代に合った『乗り物』でなければ先に進めません」(祐功社長)。
顧客満足度を高め事業エリアを拡大
第2の創業期を経た現在、息子の崇祐氏(34)がグループ統括マネジャーに就任。31事業の多店舗展開を推進し、昨年東京都内に311号店を開店しました。「31やバーガーキングのように十勝にはまだないブランドを誘致し、地元の皆さんに愛される店舗をつくること。同時に、十勝に拠点があればこその商品開発や他地域出店にも注力します」と崇祐氏。
FC事業と並行して自社ブランドの強化にも着手。「焼肉の虎」「十勝豚丼ひまわり」は道内商業圏、「ジャージーブラウン」は全国へ販路を拡大予定。事業や形態が変わっても創業時から不変の経営理念「ご来店されたお客様が満足をしてまた来て下さること」という姿勢を貫き、創造の翼を広げています。
いちまるホールディング 70周年 豊かな地域社会の架け橋に~先読み新年号
■沿革■
1955年 帯広市西25南25に先代社長の加藤仙之助氏が加藤商店を創業
69年 「一丸センター」として新装開業、スーパーマーケット業態へ転換
89年 サーティワンプラザいちまる店オープン
95年 加藤祐功氏がいちまる、一丸センター、ルーキー(現ルーキーファーム)の代表取締役社長に就任
2015年 マックスバリュ北海道といちまるが経営統合
19年 いちまるホールディングカンパニー設立
24年 ルーキーファームのロゴマーク変更
サーティワンLICOPA東大和店が11月29日オープン
■概要■
グループ本社 帯広市西5南34ノ12
資本金 9000万円
従業員 いちまるホールディングカンパニー役員2人(いちまるグループ約430人)
グループ年商 24億円