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今年から帯広畜産大の研究成果も掲載

 管内農協でつくる「JAネットワーク十勝」は昨年4月に「十勝農業ビジョン2021」(2017~2021年度)を発表し、最終年度の管内農協取扱高目標額として3500億円を打ち出しました。酪農・畜産は現状で既に目標額を達成していますが、畑作は目標額と160億円の開きがあります。

 十勝では耕作地拡大の余地は限られているだけに、畑作の目標額達成には生産性向上の技術対策や野菜などの高収益作物導入などの取り組みが必要です。ただ、農業者の高齢化や深刻な人出不足を抱え、実現にはこれまでのような取り組みでは限界があります。

 昨年、十勝では大手企業がドローン(小型無人飛行機)やICT(情報通信技術)、AI(人工知能)を活用した実証実験を行っており、「スマート」農業が実用化すれば作業効率化に向けた有効な手段になります。畜産クラスターのように作業支援の体制づくりを地域で構築することも考えられます。いずれにしても新たな試みが必要で期待をもって今後の動向を見守りたいと思います。

 2017年の十勝農業を振り返ると、畑作は6月中旬から7月下旬にかけて好天に恵まれ、豆類の一部を除き、平年を上回る作柄となりました。2016年の台風による集中豪雨は農地や畑作物、家畜に大きな被害をもたらしましたが、耕種部門(畑作)の管内農協取扱高は前年比47%増と回復し、災害復旧工事はなお続くものの台風被害の影響を払しょくできました。

 管内農協取扱高は耕種1392億円、酪農・畜産1996億円の合わせて3388億円に上り、2015年の3233億円を上回り、過去最高を更新し、十勝農業の力を示すことができました。

 さて、当フォーラムは十勝農業の発展に向けて1993年から道内の研究機関の研究成果と、十勝毎日新聞に掲載された農業関連記事をまとめた「農業新技術・十勝農業情報ハイライト」を編集し、各農協を通じ、組合員の皆さんへ無料配布しています。26年目の刊行となる2018年版は、道立十勝農業試験場、道立畜産試験場のご協力をいただき、2月に開かれた十勝圏農業新技術セミナー、十勝畜産技術セミナーで発表された21件の研究成果を収めました。

 また、今年から帯広畜産大学の研究成果の掲載を始めました。学術研究を主体とする大学の研究成果は、日々の営農に新たな示唆を与え、十勝農業の可能性を切り開くものと期待しております。

 最後になりましたが、製作にご協力をいただいた道立農業試験場、帯広畜産大などの関係機関、冊子の配布を引き受けていただいた管内各JAの皆様に心からお礼を申し上げ、刊行のあいさつとします。

十勝農業フォーラム 
代表 林 光繁 

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