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十勝農業の発信に向けて

 昨年(2014年)の十勝農業を振り返ると、十勝24農協の取扱高は、前年を140億円上回り、過去最高の2798億円に上りました。畑作は小麦を除いては豊作傾向となり、ビートは5年ぶりに糖度16%台を回復。畜産は、生乳生産が全道で落ち込む中、十勝は前年並みを維持し、肉用牛も堅調に推移しました。昨年は8年ぶりで国際農業機械展(帯広)が開かれ、20万人が来場し、搾乳ロボットなどの最新機器を集め、十勝農業の将来の姿を展望することもできました。

 一方、円安による飼料、肥料、燃料の値上げなど経営の圧迫要因も大きく、農業者からは「増収の実感がない」という声も聞かれました。今年1月には日豪EPAが発効し、TPP交渉は大詰めを迎えています。ただ、十勝から農産物輸出の動きも活発化しており、「十勝川西長いも」の年間輸出額は10億円の大台突破も視野に入り、世界に向けた十勝農業の発信力強化がますます求められています。

 農業は十勝の基幹産業であり、十勝毎日新聞社は、農業報道に重点的に取り組んできました。1979年から始めた農業ガイド(毎週土曜日掲載)は、今年3月21日付で1000号を迎え、日々の紙面だけでは伝え切れない農業情勢や作況、農業関連の技術・研究の成果などを発信してきました。4月には、勝毎電子新聞内に農業専門サイト「農+ビジネス 北海道」を設け、農業に関する幅広い情報の提供を始めました。

 「十勝農業フォーラム」が毎年発行している「農業新技術・十勝農業記事ハイライト」は、道立試験研究機関が取り組む最新技術の研究成果を紹介するとともにこの1年(昨年3月~今年2月)に十勝毎日新聞に掲載された農業関連の主要記事を収め、十勝農業や農政、農業関連産業などの動きが分かるように編集しております。座談会では、農業ガイド1000号を記念し、十勝農業の過去と未来を語っていただきました。冊子に収められなかった記事は、巻末に見出し一覧を設けました。十勝農業の一層の理解にこの冊子をご活用いただければ幸いです。

 本冊子の編集に当たり、資料提供などでご協力いただきました各試験研究機関の皆様に心からお礼を申し上げ、発刊のあいさつとします。

十勝農業フォーラム 
代表 林 光繁 

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