5月に北海道スペースポート研究会設立へ
【大樹】大樹町に次世代宇宙船が離着陸する宇宙港(スペースポート)「航空宇宙多目的飛行センター」造成の実現を“オール北海道”で中央に働き掛ける「北海道スペースポート研究会」の設立総会が5月14日、札幌市内の道立総合研究機構で開かれる。発起人は高橋はるみ知事ら道央・十勝の行政、産業団体のトップ10人。今後、独自の計画を国に示していく。
「2023年までに大樹をアジアにおける宇宙産業開発の拠点、宇宙観光産業の玄関口にする」という目標に向かって歩み出す。
近年、欧米でサブオービタル飛行(宇宙に短時間滞在して地上に帰ってくる方法)の開発やベンチャー企業の宇宙観光旅行事業化が進んでいる。
国内でも宇宙開発利用方針を定めた国の宇宙基本計画(2013~17年度)に民間の力を生かした宇宙産業強化が盛り込まれたことを受け、道内の産学官が一体化した態勢を整えようと札幌市内のNPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC、伊藤献一理事長)が一昨年から準備を進めてきた。
同研究会の計画案には大樹町多目的航空公園の主滑走路(1000メートル)の延長、副滑走路やロケット打ち上げ場の整備、航空宇宙開発試験基地、体験参加型航空宇宙観光基地の形成などが掲げられている。総事業費は400億~500億円を見込む。
伊藤理事長は「宇宙港造成が道内に宇宙産業が根付くきっかけになれば」と期待している。(関根弘貴)