申請簡略化へ協議会も 山本担当相と堀江氏会談
山本一太宇宙政策担当相は12日午後、民間ロケット開発を手掛ける元ライブドア社長の堀江貴文氏と、とかち帯広空港で面会した。山本担当相は「ロケットの発射実験をするときに、もう少しスムーズに行政として全体で対応できるような仕組みをつくりたい」と述べ、関係省庁と道庁などを含めた協議会設立に向けた取り組みを始めることを示唆した。
中川郁子衆院議員(道11区)、伏見悦夫大樹町長らも同席した。
堀江氏らは大樹町でのロケット打ち上げ時に複数の関係省庁に調整に行かなくてはならない現状を説明し、簡略化を要望。山本担当相は「民間の事業者にもどんどんこの分野(宇宙開発)に参入してもらわないとならない。特にベンチャーはすごく大事。宇宙担当相として、しっかりサポートしたい。それが宇宙基本計画で掲げた宇宙開発利用の拡大につながる」と述べた。
面会後、報道陣の質問に答えた堀江氏は「世界宇宙飛行の日(4月12日)に大臣と会えたことは縁起がいい。官庁内に『民間の宇宙開発を推進する方向で応援していいんだ』という雰囲気をつくることができるようになる。すごく意義があった」と振り返った。
(関根弘貴)
◆担当相と一問一答
山本宇宙政策担当相は12日、同空港で報道陣の質問に答えた。一問一答は次の通り。
-視察の目的と感想を。
大樹町の多目的航空公園に興味を持っていた。日本にこういう実験場は他にない。一度来たいと思っていた。予想以上に町として宇宙に取り組んでいると感銘を受けた。ここで一から宇宙産業に民間事業者として乗り込もうとする元気なベンチャーをこの目で見たかった。可能性を感じた。
-今後の宇宙政策の見通しは。
(私個人の考えとして)射場や実験場がある場所を「宇宙特区」のような形にするということもあるのではないか。特区をつくることが民間の事業者のロケットビジネスへの参入の道を広げることになるのかなと思う。内閣府(宇宙戦略本部)の中でも真剣にどんな可能性があるか検討したい。できることから早速始めたい。
-宇宙政策を進める上で、大樹町はどのような存在か。
町の取り組みだけでなく、ロケットビジネスを始めようとするベンチャー企業を町民がサポートしている。伏見町長らがリーダーシップを持ってスペースポート構想をつくり上げてきた実績があるからだ。こういう自治体があることは、宇宙利用拡大をしっかりしていく上で大変心強いし、頼もしい。