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音更出身の八木さん小説家デビュー 「一千兆円の身代金」

デビュー作を手に「地元の人にもぜひ読んでほしい」と話す八木さん

 音更町出身の八木圭一さん(34)=東京都在住=が、小説家としてデビューする。八木さんは昨年、宝島社が主催する第12回『このミステリーがすごい!』大賞で大賞を受賞、受賞作の「一千兆円の身代金」が同社からデビュー作として出版され、10日に発売される。八木さんは「帯広・十勝が仕掛けとして出てくる作品。地元の人にもぜひ読んでほしい」と話している。

 八木さんは帯広柏葉高校から横浜国立大学に進み、経済学部国際経済学科を卒業。雑誌編集者を経てコピーライターの仕事をしながら国の財政をテーマにノンフィクションを書いていた。しかし、「フィクションの方が多くの人に伝わるのではないか」と心機一転、昨年、初めてミステリー小説に挑戦し、『このミステリーがすごい!』大賞に応募、大賞を射止めた。

 作品の下地には5年越しで追い続けた国の財政問題がある。「フィクションにかじを切って最初の作品で結果が出たので驚いた」と話すが、こつこつと積み上げたノンフィクションの経験を生かして社会派小説に仕上げた。

 「1000兆円」といえば、今の日本が抱える「国の借金」残高。インパクトのあるタイトルが示すように、作品は「国の財政について訴えたい誘拐犯が政府に多額の身代金を要求する」という「誘拐ミステリー」になっている。大賞受賞後、「勉強不足を実感した」といい、選考委員のアドバイスで改稿、「応募作よりレベルが上がった」かたちで出版される。

 八木さんには「多くの人に十勝に興味を持ってほしい」との気持ちがあり、作品には帯広や鹿追をはじめ十勝が随所に描かれる。「これからも社会派のミステリーを続けるつもり」と意欲を示すとともに「北海道・十勝に根差したものを書きたい」と話し、十勝出身者ならではの創作活動も目指している。

 「一千兆円の身代金」は350ページ、1470円(税込)。(武内哲) 

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