閑散期に宿泊混雑 氷上インカレ開催で市内ホテルに経済効果
アイススポーツの大学日本一を決める「第86回日本学生氷上選手権大会(氷上インカレ)」が5日、帯広市内で開幕し、市内の宿泊施設は全国から集う選手や関係者で混雑している。ビジネスの動きが止まる年末年始は例年閑散期だが、選手・関係者用向けに特別に対応する施設もあり、各ホテルは初春の“インカレ特需”を歓迎している。
氷上インカレの帯広開催は、2006年以来8年ぶり6回目。インカレ史上初の全競技屋内開催で、スピードスケート、フィギュアスケート、アイスホッケーの各競技が繰り広げられる。エントリー数は85校・約1100人だが、市教委スポーツ振興室によると、関係者を含めると2000人近くが来帯する。
大会は5~9の5日間だが、昨年末から事前合宿で調整するチームも。北海道ホテルは、明治大のアイスホッケー、フィギュア、慶応大のスピードスケートの選手が、昨年末から今月10日ごろまで滞在。多い日で約50人が宿泊し、「大みそか、元日以外は比較的空いている時期なのでありがたい」とする。
ホテル宮崎は、例年12月30日~1月2日は休業しているが、インカレに合わせて選手・関係者専用に営業。昨年12月29日から早稲田大、東洋大などの約80人を受け入れている。「例年合宿で利用してくれている大学もあり、対応はしやすい。この時期の団体利用は非常に助かる」と喜ぶ。
ホテル日航ノースランド帯広は、5日のチェックインがピークで、115人が宿泊する。開催期間中の稼働率は7~9割と例年の年末年始より非常に高く、うちピーク時には3分の2がインカレ関係者が占める。宴会場の一部を専用の食事会場に確保し、希望に応じて朝食時間を早めたり、アイスホッケー用の防具置き場を用意するなどで対応している。
帯広ホテル旅館組合の後藤健二組合長は「年末年始のこの時期は、ビジネス客中心の施設は動きが弱い。一般客とバッティングせずに受け入れることができ、底上げ効果は大きい」と強調。「夏冬ともスポーツ大会・合宿の実績を挙げ、好評なことも受け入れ増につながっている」と話している。(原山知寿子)