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増水の川で車転落

新得町内では神社橋が崩落して住民が孤立している(31日午前5時ごろ)

不明、大樹と新得で2人、清水でも
 【大樹・新得・清水】大雨による河川増水で、道路から車が転落する事故が各地で相次いでいる。
 31日午前1時40分ごろ、大樹町内のヌビナイ川が増水し、同町幸徳のヌビナイ橋付近の道路が崩落、通行中のRV(レジャー用多目的車)が転落した。乗っていた男性3人のうち、2人は自力で脱出したが、音更町共栄台東、会社員鈴木洋平さん(28)が行方不明となった。脱出した2人は打撲などの軽傷を負った。

 広尾署は、鈴木さんが流されたとみて現場下流の橋の上から捜索しているが、31日正午現在見つかっていない。釧路海上保安部などもヘリコプターを出して捜索している。

 3人は音更町にある河川事業の調査会社社員で、歴舟川上流の水量調査を終え大樹町の市街地に向かう途中だった。ヌビナイ橋付近は当時、増水の影響で橋の手前の道路約5メートルが崩落。通行止めにする準備が進められていたという。

 新得町でも同時刻ごろ、町西2北2、パンケシントク川の神社橋から「車が落ちた」と110番通報があり、新得署が車が転落しているのを確認した。1人が行方不明だが、車は2台という情報もある。

 清水町では午前2時ごろ、町清水の国道38号の清見橋で道路が破損し通行止めにしていたところ、新得方向から帯広方向に走行していた車が進入し、ペケレベツ川に落ちた。増水のため捜索は行われていない。

「お前だけ行け」先に妻送り出し
 【新得】町内ではパンケシントク川が氾濫し、神社橋やJRの線路が決壊、住宅1棟が流出した。一夜明けた町では、目を覆いたくなるような光景が広がり、新得小に避難していた住民らはショックを隠せない様子だった。

 1963年に架けられたコンクリート製の神社橋は、川の浸食とともに不気味な音を立てながら徐々に崩落した。市街地から川を挟み対岸に住む神社町内会の住民は、6世帯10人が孤立状態に。避難中に行方が分からなくなった人もいる。橋から数十メートルの距離にあった新得小でも、目の前の道が大きくえぐられた。

 30日午後5時半ごろ、夫の小笹義夫さん(74)と会えないまま同校に避難した妻は「お前だけ行けと言われ、余裕があれば来ると思って先に行った。間違いであってほしい」と願った。同町内会の丹羽鶴松会長(78)は、避難指示が発表された31日午前1時半ごろ、同じ町内会で避難が遅れた5人に電話した。このうちの一人、小笹さんは「そっちに行く」と話したが姿を見せず、その後、小笹さんと音信不通になり、車庫に車がないことも確認された。丹羽会長は「目の前の家に帰ることができず、仲間の安否もはっきり分からない」と天を仰いだ。(小寺泰介)


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