JAXA、大気球を打ち上げガンマ線観測
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日、大樹航空宇宙実験場(町多目的航空公園内)で科学観測を目的にした大気球を打ち上げた。神戸大などが開発中の新型望遠鏡を用い、ガンマ線の観測に挑んだ。
1日に続く今年度2基目の放球。開発中の望遠鏡は「エマルションハイブリッド望遠鏡」と呼ばれ、従来より高い解像度でガンマ線を観測できる。天体にはガンマ線を出している星があり、そのガンマ線を観測することで天体構造などが分かるという。
この日は午前5時4分、最大で直径63メートル、体積10万立方メートルの大気球を放球。高度約35キロ地点まで上昇し、1時間ほど、同望遠鏡の動作確認とともに実際にガンマ線を観測した。同9時24分に同実験場から東方約25キロの海上に着水し、船で回収した。
神戸大などの実験チームは取得したデータを生かし、同望遠鏡の大型化を目指す。
今年度の気球放球実験は今回で第1次(5、6月)が終了。第2次は8、9月に計5基の放球を予定している。(佐藤圭史)