東大研究メンバーが大樹で小型航空機の飛行確認
【大樹】東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻はこのほど、大樹航空宇宙実験場(町多目的航空公園内)で小型航空機(ビジネスジェット)の飛行試験を行った。今回は故意に翼の一部を落とし、故障時の安定飛行を確認した。
同専攻は2008年度から3カ年計画で、経済産業省の委託事業「航空機用先進システム基盤技術開発(先進パイロット支援システム)」として、機体の故障や破損を想定した飛行試験に取り組んでいる。大樹での試験は2年目を迎えた。
同専攻が研究対象とする小型航空機は、パイロットの技能レベルや突風などの気象条件により、旅客機に比べて事故確率が高いとされ、安全飛行のためのシステム開発が求められている。
今回は土屋武司准教授ら16人が来町し、22日まで4日間の日程で、ビジネスジェットの小型モデル(全長、全幅各1・2メートル、重量2・5キロ)を使って試験。期間中、10回程度飛行。21日には高度150メートル付近を飛行中、右翼の先端20センチほどを故意に落とし、それでも安定飛行することを確認した。
試験によって得た耐故障性の飛行データは、今後、実際のシステム開発にも生かされていく。土屋准教授は「委託事業としては今年度で研究は終了だが、来年以降も何とか継続していければ」と話していた。(佐藤圭史)