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航空宇宙の経済効果1億5000万円 大樹町試算

大気圏再突入システムの研究を目的に打ち上げられた大気球(昨年8月30日)

 【大樹】町は、今年度の航空宇宙関係の経済効果などをまとめた。町多目的航空公園内の施設利用日数は304日(前年比57日増)、実人員数は400人(同100人減)で、推定経済効果額は前年を1億7000万円(53%)下回る約1億5000万円とした。このうち、宿泊や食事、除雪など大樹に直接関わる費用は9000万円程度と試算した。

 今年度は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が昨年6月に実施した大気球実験を皮切りに、今月上旬の金沢大による小型有翼実験機と高信頼性飛行制御システムの開発実験まで延べ21実験が行われた。経済効果額の減少について、町は「防衛省のエンジン試験の終了が影響したのでは」としている。

 JAXAの大気球実験は計4基を放球し、大気圏再突入システムの研究などを実施した。CAMUI(カムイ)型ハイブリッドロケットの実用化を目指す「NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター」(HASTIC、札幌)は、同ロケットの高推力化などを目的に計5機を打ち上げた。この他、神戸大や電気通信大、東海大などが航空宇宙の各種実験に臨んだ。

 2012年度も引き続き、前年並みの実験数が予想される。同年度後半には東大などが設置した超小型衛星からのデータ受信用地上局の本格運用も始まることから、町は「大樹の航空宇宙の取り組みも、また一歩前進するのでは」(布目幹雄企画課長)と期待している。(佐藤圭史)

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