外来魚の根絶に奮闘 環境省の安藤管理官 まちマイ足寄編
阿寒摩周国立公園には自然を守るレンジャーがいる。環境省阿寒湖事務所に勤務している国立公園管理官の安藤祐樹さんもその一人。オンネトー地区では「湯の滝」で外来魚グッピーと戦い、根絶まであと一歩のところまで来ている。
安藤さんは千葉県出身。就活に悩んでいた学生(千葉大)のころ、北海道を旅した。知床、阿寒、そしてオンネトーへ。「朝一番で雌阿寒岳に登り、野中温泉の湯に漬かるぜいたく、この自然に関わりたい」。難関の公務員試験をパスした。
公園内の自然保護と利用促進、許認可事務も。オンネトーについては「湯の滝」の外来魚駆除が仕事のメインで、関わる管理官は安藤さんで5代目。「外来生物は環境を変えてしまう。生態系を戻すには時間も労力もお金もかかる」
湯の滝にナイルテラピアとグッピーが確認されたのは19年前。冷水を引き込むなどの対策を施し、2015年2月以降テラピアはいない。「効くかどうか分からないが、雪も投げ入れた」。グッピーも激減し、年度内に3回調査して確認されず、さらに1シーズン後もOKなら、来夏にも悲願の「絶滅宣言」だ。
着任して丸2年。オンネトーについて「学生のころは漠然と『きれい』という思いだったが、今は違う。阿寒摩周国立公園の魅力は、火山があり森があり湖がある景観。オンネトーにはこれらが全てそろっている」。27歳、独身。(木村仁根)
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