東海大生が大樹でハイブリッドロケット打ち上げ準備
【大樹】2、4日にハイブリッドロケットの打ち上げ試験を行う東海大の学生18人が2月28日、町多目的航空公園などで準備作業を始めた。学生たちが手作りで同ロケットを開発する「東海大学学生ロケットプロジェクト」の一環で、同プロジェクトとしては初めての「多段分離システム」の実証試験も行う。メンバーは「実験を成功させたい」と張り切っている。
同プロジェクトは学生が主体的に同ロケットの設計や開発、実験データの解析などに取り組み、宇宙理工学を実地で学ぶのが特徴。現在は航空宇宙に興味のある学生ら約50人が加入している。
大樹では2004年からほぼ毎年、打ち上げ試験を行っており、今回は09年以来2年ぶり。
実験チームは2月27日に来町、同28日は町多目的航空公園で機体の組み立てや、打ち上げ場所(町美成の原野)での射場設置などの作業に追われた。
2日は全長1・59メートル、重量6キロの機体を高度650メートルまで打ち上げ、ビーコン(電波標識)発信を用いた回収作業や機体の姿勢制御を確認。4日は全長1・2メートル、重量5キロの別の機体を高度820メートルまで上げ、パラシュートを2段階で開かせる「多段分離システム」の実証試験に臨む。
安全対策も万全を期し、立ち入り制限は射点から560メートルとし、打ち上げ可能な気象条件も細かく定めている。
現在の実験チームは10年夏から設計を始め、打ち上げは今回が初めて。
学生実験責任者の大崎大さん(工学部3年)は「多段分離システムは長年実施したいと思ってきたミッションなので、特に成功させたい」と意気込んでいる。(佐藤圭史)