私はジオガール 中学生のサポーター 瓜幕中の宍戸さん まちマイ鹿追編
「氷河期時代からいる生きた化石。夏でも涼しい風穴があるから、標高が低くても快適に生きられるんだって」。17日、町内中学生で唯一「ジオガール」として活動する瓜幕中1年の宍戸響さん(13)の案内で、然別一帯の風穴地帯を歩いた。岩場から聞こえてくる鋭い鳴き声と共に、ナキウサギがひょっこりかわいらしい姿を見せ、「運がいいね」と喜んだ。
ジオパークは、地球科学的な価値を持つエリアで、保全を目的に教育やツーリズムが展開される。鹿追では町内全体が2013年、「とかち鹿追ジオパーク」として認定された。「凍(しば」れ」をテーマにした国内唯一の場所だ。
鹿追では、町民と共に活動を進めるサポーター制度を採用する。町内外の24人が登録、各種講座で知識を深め、イベント運営などに協力する。
宍戸さんは03年、福島市生まれ。東日本大震災翌年の12年、姉の高校進学で函館市に転居したが、姉の卒業を機に「自然豊かな場所で伸び伸び暮らそう」と昨年春、山村留学制度を利用して家族で町瓜幕に越してきた。東大雪山系の山々やその自然を故郷の福島と重ね見て「身近な自然を学びたい」とジオパーク関連講座に通うようになった。
友人宅の畑の地形は火山活動が影響しているなど、身近な自然の話題は尽きない。「知識を吸収するといつも見慣れた景色が変わって見えてくる」と目を輝かせ、「珍しい自然が身近にある鹿追が誇り。将来は自然に関わる仕事がしたい」と生き生きと話す。(小寺泰介)