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「障害あっても力に」 札幌の施設利用者奮闘 清水

スコップで泥や石をかき出す「あぐりぱーく」の利用者たち

泥除去ボランティアなど

 【清水】「障害があっても力になれる」-。台風10号による川の氾濫で大規模な浸水被害があった町内では、十勝管外からも多くのボランティアが駆け付け、住宅内に入り込んだ泥の除去作業などを手伝っている。12日からは札幌の就労支援施設の利用者たちも活動に加わり、早期復興へ汗を流している。

 札幌から支援に訪れているのは、NPO法人自立支援センター歩歩路(ぽぽろ)の就労継続事業所「あぐりぱーく」(澗口剛士郎施設長)。同法人は東日本大震災の発生時にも職員が現地で障害者の移動支援に当たった他、今回の台風で被害を受けた上川管内南富良野町の福祉施設にも職員を派遣している。

 施設利用者の派遣は今回の清水町が初めて。澗口施設長が被災地域を視察した際、「住民の皆さんが行っている泥出しなどは、普段農作業をしている利用者たちにも手伝えるのでは」と感じた。

 12日には職員3人と知的や精神障害のある20~50代の男性利用者4人が、氾濫したペケレベツ川近くに住む畠山弘志さん(73)宅を訪れ、敷地内に積もった石や泥の除去に励んだ。スコップでかき出した砂利を袋に詰める作業を繰り返し、3時間ほどで約200袋が道路脇に並んだ。

 1つ20キロほどの重さの袋を持ち上げる利用者の懸命な働きぶりに感化されるように、畠山さんも一緒に作業。「皆さんからパワーをもらった。妻(セイ子さん)と2人でやろうと話をしていたが、気の遠くなる作業に年内に終わるか心配だった。本当にうれしい」と汗をぬぐった。

 利用者の上山徳継さん(43)は「人の役に立ちたいと思っていた。手伝うことができ、自分たちも感謝の気持ち」と充実の表情。澗口施設長は「障害者は助けられる側とのイメージがあると思うが、それぞれの個性を理解すれば、自立して仕事ができるということを知ってほしい」と話していた。ボランティア活動は、町の要望がある限り続けていく予定。

 町ボランティアセンターによると、町内ではこれまで延べ350人がボランティアに当たった。希望者は午前8時半~同9時に町老人福祉センター(南2ノ7)で受け付けをする。
(高津祐也)

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