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音楽が鳴る場所で想像力を磨く~人の気配

岡山在住のDJ、AYAKAさん(イラスト)

 この連載で自分に関わる多くの職業を紹介してきた。オーガナイザー、音響、バンドマン、DJ、アパレル関係など。ミュージシャンの周りには多くの仕事があり、支えられていることを実感する日々だ。そして、今回紹介する友人は例に挙げた前述の職業に加え、1児の母でもあり、多くの顔を持つ人物である。

 岡山在住のAYAKAさんに協力してもらい、先月も岡山市内でライブをしてきた。歌いに行きたいと思ってすぐに計画を立てられるのは、バンド編成でのライブと並行して、小さな会場での弾き語りを続けてきた自分自身の強みであると同時に、やはり全国の仲間の存在が大きい。彼女もその一人である。

 いろんな側面を持つということは、想像力につながると僕は思っている。音を鳴らすミュージシャンの気持ちが分かることで、音響スタッフとしてのセンスが磨かれる。DJはフロアを意識することができるし、アパレルに関わることはグッズ周りのアドバイスもできる。そして、その気配をこちら側が感じることこそが信頼につながるのではないか。さらに、信頼は再びその街に行こうと思える理由に変わる。つまり、信頼は想像力から始まり、想像力を磨くためには経験が必要ということになる。

 大きな会社や多くの人が関わることでしか成功させられない興行もある。しかし、それとは別に、もっと気軽に、もっと身近に、暮らしの中で音楽を鳴らしたい時もあるのだ。ライフワークと置き換えても良いし、信念という言葉にしても良い。

 AYAKAさんからも信念のようなものを感じる。時にバランスとタイミングを崩したとしても、音楽が鳴る場所に身を置くことを選ぶ。『Innocent Sound And Silhouette』を聴き返す。


<Keishi Tanaka(タナカ・ケイシ)>
 ミュージシャン。1982年大樹町生まれ。帯広柏葉高卒。Riddim Saunterを解散後、ソロ名義での活動を続け、V6への楽曲提供も話題となる。11月からの1年間、Riddim Saunterとしての活動を発表した。

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