大学時代の友人と再び交わる~人の気配
先月は帯広柏葉高校時代からの友人を紹介したが、今月は大学時代の話から始めようと思う。柏葉高校を卒業して、文教大学へと進学した僕は、湘南キャンパスで小西健司さんと出会った。当時の彼は、誰に対してもオープンなマインドで接していた印象がある。サークルには所属せず日陰を歩いていた僕に対しても、気軽に声を掛けてくれたことを覚えている。数少ない大学時代の友達の一人である。
月日は流れ、とある野外イベントで僕らは再会した。平塚にある「NEWROSE」というカレー屋のオーナーになっていた小西さんは、僕が出演する音楽イベントで出店をしていたのだった。店の前には長蛇の列ができるほどの人気。最近では「森、道、市場」などの大きなフェスにも出店している。
一方、平塚にあるお店も、他のカレー屋とは一線を画すたたずまい。ピンクの扉を開けて中に入ると、決して広くはないがセンスの良い空間に、オリジナルのグッズやクラフトビールが並んでいる。そして肝心のカレーは、タイのアラでスープを作ったという「モダン・レモン・チキン」が絶品。他のカレーとのあいがけも人気である。
ずっと会えていなかったにもかかわらず、共通の友人がいることがわかってきたり、お店の5周年ではライブをしてお祝いをしたり、自然とまた交われていることが面白いし、とてもうれしい。人生のなかで、ただ過去を懐かしむような懐古主義はあまり好きではないが、今しかないと思って生きた「その時」が、現在につながるような体験をすると、やっぱり過去があって今があることを実感する。その感情は財産とも言える。
「夏の日、僕らは友だちになれたのだろうか。また出会えれば、それが答え」と歌った『I’ve Never Seen』が頭の中で鳴る。またケンジと面白いことを仕掛けていけたらと思う。
<Keishi Tanaka(タナカ・ケイシ)>
ミュージシャン。1982年大樹町生まれ。帯広柏葉高卒。Riddim Saunterを解散後、ソロ名義での活動を続け、V6への楽曲提供も話題となる。ニューアルバム『Like A Diary』のリリースツアーを終え、次は9月のバンド編成ライブに向かう。










