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不要不急の行動避けて 熱中症予防 帯広厚生病院の野上医師に聞く

熱中症の予防方法などを説明する野上医師

 十勝地方に熱中症警戒アラートが発表される中、熱中症の予防には、暑さを避け熱のこもらない服装にするなどの工夫が必要だ。帯広厚生病院小児科の野上正雄医師(36)は「北海道も年々暑くなっている。正しい知識を持ち、スポーツなどに取り組んでほしい」と呼び掛けている。

 暑くて湿度が高い場所で起こる熱中症は、世代により注意が必要な状況が分かれる。

乳幼児、車内は危険
 汗をかく機能が出来上がっていない乳幼児なら、室内でも冷房が付いていない場合に注意が必要だ。特に車の中では短時間でも命に関わる危険がある。スポーツに取り組む子どもたちの場合は、炎天下で着込んで運動する野球や、冷房の付いていない体育館でスポーツをするときは気を付けなければならない。

 高齢者は、暑さを感じにくくなり体内の水分割合が少なくなる。このほか二日酔いや下痢などで体内の水分が減っている人も、熱中症を起こしやすい。

 症状は初め、のどが渇いて具合が悪いといった兆候が見られ、3段階で重くなる。軽症は立ちくらみや大量の汗、筋肉の硬直など。中等症では頭痛やおう吐といった症状が起こり、受診が必要となる。重症に進行し意思の疎通が難しく高体温になると、入院し集中治療の必要が出てくる。

 軽症の場合の応急処置について、野上医師は「涼しい所に行って、水分を取ることが基本」と説明。水分補給でお薦めなのが、塩分の含まれている経口補水液だ。摂取の目安は「乳児100~200ミリリットル、1、2歳200ミリリットル、幼児300~500ミリリットル、小学生以上1~1・5リットル」。手元に無い場合はスポーツドリンクを代用する。

 予防について全日本病院協会では四つのポイントを示す。まずは暑さを避けること。外出時は日陰を歩き、帽子や日傘を使う。家の中では、ブラインドやすだれで直射日光を遮り、扇風機やエアコンで室温を調整する。

熱こもらぬ服装を
 次に熱がこもらないような服装の工夫だ。インナー(下着)を着用した方が空気の層ができ、外からの熱気を遮断してくれる。小まめな水分補給も大切だが、コーヒーや緑茶などカフェインが多く含まれるものや、アルコール類は利尿作用があるため適さない。ウオーキングやランニングなどで汗をかく習慣を身に付け、暑さに少しずつ慣らすのも大切とする。

 熱中症リスクの判断の目安になるのが温度や湿度などから算出される暑さ指数(WBGT)。環境省の熱中症予防情報サイトで各地の数値を確認できる。

 野上医師は、リスクがあるときは「不要不急の行動を避けるか、部活動などでスポーツに取り組む場合は水分補給など対策を十分にしてほしい。ベビーカーに乗せ外出する必要があるときはシェードを付け、帽子をかぶらせ、小まめに水分を取らせてほしい」としている。(高井翔太)



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