かみ合わせ異常、矯正治療を~健康は歯と口から 6月4~10日啓発週間(下)
顎変形症とは?
ハート歯科クリニック 小澤秀之院長
顎(がく)変形症とは? 十勝管内で初めて日本顎変形症学会認定医になられた第一病院口腔外科の工藤章裕先生に聞いてみました。
顎変形症とは上顎(うわあご)と下顎(したあご)の成長の不調和により、かみ合わせや顔貌(がんぼう)に異常をきたした状態で、下顎前突(受け口)、上顎前突(出っ歯)、開咬(かいこう)、顔面非対称などがあります。
顎変形症の症状は物をかみづらい、しゃべりづらい、顎関節症や呼吸障害になりやすくなる等の機能的障害や、顔貌の変形による心理的コンプレックスなどの精神的障害があります。
顎変形症の治療は、矯正歯科の先生による術前矯正治療と骨の変形を治療する口腔外科の先生による顎骨手術を組み合わせて治療していきます。術前矯正治療期間は一般的に1~3年程度を要します。
術前矯正治療は何歳からでも開始できますが、顎変形症の手術は成長期を過ぎてから行います。一般的には女性は中学卒業以降、男性は高校卒業以降になります。高校や大学の長期休暇中に手術を行う方が多いです。まれに、50歳代で手術を行った方もいます。
顎骨手術は全身麻酔下で口腔内から行い、入院期間は2週間程度です。手術後は仕上げの術後矯正治療を行いますが、術後矯正治療の期間は1年程度です。治療完了まで5年くらいかかります。
顎変形症の治療は自費ではなく、手術前、手術後に行う歯科矯正治療も含めて顎骨手術も保険治療で行えます。顎変形症で悩んでおられる方はお近くの歯科医院までご相談ください。