ばん馬の鬼気迫る表情がインパクト大!南商高が黒板アート甲子園で優秀賞
帯広南商業高校(橋本功校長)美術部(山本一花部長)が高校生の黒板アート日本一を決める「第10回黒板アート甲子園」(日学主催)で最優秀賞に次ぐ優秀賞を受賞した。同部は9年連続の出場で、北海道・東北エリア賞(2018、21、22年)を超え、これまでで最高位となった。(大谷健人)
出品した「かわいいお顔が台無しよ!」は今年3月11~29日、同校美術室の黒板に現2、3年生の部員8人で制作した。「十勝らしさ」を表現しようと、ばん馬を採用。デザインを検討していたところ、部員の赤間愛瑠さん(2年)が息抜きでスケッチブックに描いた、馬の「変顔」を部員が気に入り、タイトル通り、普段は優しい表情のばん馬がニンジンを前に鬼気迫る様子を描くことになった。
制作には校内の短くなったチョークを再利用。阪本かんなさん(2年)が配色を担当し、白、赤、オレンジ、ピンク、紫、緑、青などの鮮やかな色彩に。はけや綿棒、ティッシュペーパーなどを使い、鬼気迫りながらもどこか愛らしい表情の馬をはじめ、荒い鼻息、毛並み、髪飾り、レンガの背景などを細やかに表現した。黒板アートには「黒」がないため、奥行き感を持たせることなどに苦心したという。
昨年は山本部長と上級生の2人のみでの制作となったこともあって、惜しくも入賞を逃していただけに、「エリア賞を途切れさせてしまっていたので悔しかった。優秀賞受賞を決まって、泣きながら喜んだ」(山本部長)と感動もひとしおだった。顧問の野澤雅之教諭は「今年はモチーフや構図、タイトルなど、ほとんどアドバイスすることなく、自分たちで決め、楽しく制作していた」と語った。
美術部の目下の懸念は部員数。現在は7人だが、今年は野澤教諭が顧問になってからの直近10年で初めて1年生の入部がゼロの状況に。今回の受賞が入部希望者増加のきっかけとなることに期待しており、阿部愛加副部長(2年)は「個性豊かな部員同士、雰囲気良くコミュニケーションを取りながら制作していけたら」と意気込みを語った。