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地元感を意識 勝毎販売店店主で主人公の親友役・小宮孝泰さん~映画「おしゃべりな写真館」インタビュー(4)

作品のぬくもりを象徴する主人公の親友役を演じた小宮さん(平栗玲香通信員撮影)

 鹿追町を中心とする十勝管内でロケが行われ、2月23日にシネマ太陽帯広で全国に先駆けて公開される映画「おしゃべりな写真館」。昨年12月に始まった出演者インタビューでは、主人公の親友役を演じた小宮孝泰さんに、作品に懸ける思いやロケでのエピソードなどを聞いた。(杉原尚勝)

 主人公の親友で十勝毎日新聞販売店の店主役。中原丈雄さん演じる主人公が落ち着いた雰囲気なので、どちらかというと明るくて面倒見が良い、素に近い人物像を演じた。ユーモアがあり、ほんわかした人柄の良さや、地元の方々に親しまれている雰囲気は出せたと思うが、もっと懐の深さも意識していたらとも思っている。

 この映画は「鹿追による鹿追のための鹿追の映画」であり、東京のシーンも鹿追で撮っている。ちなみに、東京にいる主人公にお土産を手渡すシーンで「これ、六花亭」というせりふはアドリブ。演技ではそういった地元感を意識した。

十勝毎日新聞販売店主の役を演じた小宮さん(中央、作中より、(C)和ら美)

 ロケ中は大自然を満喫した。オフにはシーカヤックやボートに乗ってアウトドアを楽しみ、神田日勝記念美術館でじっくり作品も鑑賞した。ただ、乗馬や釣りができなかったのが残念だった。

 ロケーションも最高で、「草原に木が1本」というのは非常に面白かった。昔、そうしたセットでお芝居したことがあり、舞台セットが現実になったよう。こんなところでお芝居できたのは幸せ。

 この映画は人の笑顔がいい。はっちゃけた笑顔もあるが、スナップ写真のような自然な笑顔がたくさんある。今は地方の映画が、地方から火がつき全国に広がることも多い。この映画は鹿追の十勝のための映画ではあるが、ぜひ地元の方々が火をつけ、北海道のための映画に育ててほしい。

映画「おしゃべりな写真館」 出演者・スタッフインタビュー(4)小宮孝泰さん



<こみや・たかやす>
 1956年神奈川県生まれ。渡辺正行、ラサール石井と「コント赤信号」を結成し、80年に「花王名人劇場」でデビュー。30代から俳優業に専念し始め、「星屑(くず)の町」全シリーズなどの舞台をはじめ、映画、ドラマで幅広い役柄を演じる。役者の落語会「ごらく亭」を主催し、高座(こうざ)にも上がる。2018年に初エッセー「猫女房」を出版。著書に関連した在宅医療の講演活動にも力を入れる。


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