足寄攻めの姿勢で劇的勝利、帯北あと一歩 夏の校野球Bブロック代表決定戦
夏の高校野球十勝支部予選は1日午後、帯広の森野球場でBブロック代表決定戦を行い、足寄が終盤からの猛追撃に成功し8-7で帯北にサヨナラ勝ち、初の北大会代表を決めた。(小野寺俊之介、須貝拓也、金野和彦)
足寄、佐川が意地の犠飛放ち劇的勝利
足寄は最大5点差をひっくり返す大逆転劇でサヨナラ勝ち。1点を追う最終回、1死満塁から木村悠希(はるき、2年)が四球を選び、押し出しで同点。打席には3年生の佐川巧真(たくま)が立った。「フォームどうこうじゃなくて意地でした」。変化球を振り切ると、打球はセンターへ。捕球を確認して三走の原田侑樹(2年)がスタート、サヨナラの本塁を踏んだ。悲願の北大会出場を決め、ベンチ、スタンドが歓喜に沸いた。
「何かをきっかけに流れは来る。攻めの姿勢を貫きなさい」。池田剛基(ごうき)監督の言葉を信じ、劣勢に立たされても諦めなかった。1-6で迎えた七回、2死二、三塁で堂田悠斗(はると、2年)の左前2点適時打で3点差。さらに八回、無死二、三塁から木村悠の適時打、さらに佐川の2点適時打で6-7と1点差に詰め寄った。
「終盤は球場全体を巻き込んで味方にできた」と斉藤新(あらた)主将(3年)。全校応援の生徒、保護者ら約300人の応援団が追撃と最終回の攻撃を後押し。流れをつかんだ足寄は勢いづき、リードする帯北に見えない重圧がのしかかった。
ノーシードから勝ち上がり、帯三条、帯北ら古豪撃破で北大会に進む。甲子園を懸けた初の大舞台に、殊勲打の佐川は「初出場なので怖いものしらず。緊張すると思うが楽しみたい」。自慢の打撃力を発揮し、大舞台でも再び足寄旋風を巻き起こす。
足寄・池田剛基監督の話
こんなに興奮することはしばらくなかった。序盤に苦しい展開を強いられたが、それでもどうにか食らい付いていこうと。一塁までの全力疾走、攻守交代の駆け足、高校生らしくすがすがしいプレーを続けることを最後までしなさいと声掛けをしていた。
足寄・斉藤新主将(3年)の話
誰も勝ちを諦めていなかった。前半は苦しい展開だったが、五回のグラウンド整備の間に気持ちをリセットできた。北大会出場の目標は達成できたので、次は(準決勝からの)エスコンフィールドを目指したい。
帯北、先発の阿部亮岳好投、継投後に失点
34年ぶり3度目の夏の甲子園を目指し、2年ぶり19度目の北大会出場をあと少しのところで逃した帯北は、序盤から優位に試合を進めた。0-1の二回に阿部亮岳(りょうが、3年)の適時打と捕逸で2-1と逆転。三回にも杉本真規(まさき、同)と坂本鼓太朗(同)の連続適時打で2点を入れるなど四回まで着実に加点し終盤の七、八回も1点ずつ加えた。先発の大型エース阿部は直球を中心に好投、4回7奪三振、1失点と相手打線を抑えた。しかし七回以降は継投に入った投手がつかまり。守備の乱れも響いて失点を重ねた。
帯北・齋藤啓太監督の話
悔しい負け方。悔しい敗戦を見て、1、2年生は燃えてほしい。力がなくてもこういう試合をものにできるチームにしていきたい。
帯北・佐藤汰樹(たいき)主将(3年)の話
あと一歩で届かず悔しい。終盤は足寄のムードで苦しかった。最後の最後に自分のミスが出てしまった。後輩たちはこの経験をバネに全道へ進んでほしい。
◆高校野球
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