救急受け入れ強化、処置室2・5倍に拡張 協会病院
帯広協会病院(吉田一郎病院長)は、救急処置室を拡張するなどの「救急外来改修工事」を終えた。救急搬送の受け入れ件数が6年前から1・5倍増となっている現状を受け、救急処置室を2・5倍に広げた。同院では、「引き続き、安全な医療を地域に提供していきたい」と、救急医療の一層の向上を図る考えだ。
十勝医療圏の2次救急医療機関の一つとなる同院では、2016年2月に「総合診療科」を新設した。特定の臓器・疾患に限らず、多角的に対応する同科が救急患者に初期対応することで、救急搬送の受け入れ件数も増加。これまでの救急処置室(約30平方メートル)が手狭になっていた。
今年1月からの改修工事は3月に完了。点滴室と処置室を別々に設けたほか、救急外来にも用いる救急処置室は約76平方メートルに拡張した。小児専用のスペースも設けた。また、救急処置室の仕切りは、カーテンから、高い感染予防性と遮音性を誇り“バリアー”としての役割も果たす「サイレンティアスクリーン」に変更した。
総合診療科開設直後(16年度)の救急搬送件数1482件に対して、22年度は2295件にまで増加。さらに、新型コロナウイルス感染症の流行なども重なり、ウォークイン患者(自力で救急外来を訪れる患者)も増えている状況だ。
同院の救急外来は、総合診療科の常勤医・非常勤計12人のほか、研修医計13人も初期対応を担う。同院総合診療科の堀哲也部長(救急医療対策委員会委員長)は、「地域で必要な医療機関であり続けるため、他医療機関と連携し、十勝管内の救急医療の底上げにつなげたい」と話している。
(松岡秀宜)