メキシコゆかりの帯広市民も関心高く「両国応援」「メキシコ優勝を」 WBC
野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は日本時間の21日、米マイアミで準決勝の日本対メキシコが行われた。注目が集まる“国民的行事”は、帯広市在住のメキシコにゆかりのある人たちにとっても大きな関心事となった。
市国際交流員のアンドラーデ・クリストファーさん(31)はメキシコにルーツがある米国人。この日は自宅のテレビで観戦し「大好きな日本とメキシコ両方を最高に応援し、すてきな試合になればうれしい」とエールを送った。
アンドラーデさんは米ニューヨーク生まれだが、両親はスペイン語を話すメキシコ人で、結婚後に米国へ移住している。
それだけに「メキシコへの思いは強い」と語る。日本はアニメをきっかけに興味を持ち、日本語を学んだ。2020年12月から市国際交流員として活動している。
今大会では米国が一足先に決勝進出を果たしたが、「スーパースターを集めた最強チームが勝つより、日本かメキシコが優勝するほうがうれしい」。
日本代表「侍ジャパン」で注目しているのはラーズ・ヌートバー選手。「攻守なんでもできる素晴らしいプレーヤーであることに加え、父親が米国人、母親が日本人で二つの文化に包まれて育ったところに共通点を感じる」と親しみを抱いている。
メキシコの選手では大谷翔平選手と同じエンゼルスに所属するパトリック・サンドバル投手に期待。アンドラーデさんは「日本の人たちにメキシコを知ってもらう機会にもなる。真剣勝負だが、野球を通じた国際交流ともいえる」と話す。
一方、メキシコ生まれで01年に日本へ移住した帯広畜産大准教授のロメロ・イサミさん(47)は「今回のメキシコは歴代最強チーム。ぜひ優勝してほしい」と母国の勝利を願って応援。
ロメロさんによれば、メキシコで最も盛んなスポーツはサッカーだが、同国北部や南部では野球好きな人が多く、「私自身も野球が大好き」と話していた。(松村智裕)