国公立大、国家公務員、プロミュージシャン… 音更高卒業生の多彩な進路
音更高校(重堂法人校長)の2022年度卒業生98人の進路が10日時点でほぼ決定した。国公立大学に現役合格した3人をはじめ、国家公務員、プロミュージシャン、競走馬の厩務(きゅうむ)員など、多種多様な卒業後の進路が話題になっている。
今年度は進学(専門・各種学校含む)が62人、就職(公務員含む)が35人で、残る1人は国立大の後期日程に臨む。また、1浪で希望する国立大学への進学を決めたOBもいる。
10日現在、国公立大学に現役合格したのは、小樽商科大商学部に入学する畠山純輝さん(18)、北見工業大工学部の高木海杜さん(18)、釧路公立大経済学部の木元弦さん(18)の3人で、全員が推薦で希望をかなえた。
畠山さんは「合格できて今は安心している」と笑顔を見せ、大学では教員免許取得も目指す。環境問題に強い関心を持つ高木さんは「大学でプラスチックの分解に関する勉強をする」と意気込む。木元さんは「大学での学びを通して知見を広げたい」と意欲を見せている。
また、同校OBの斉藤大晟さん(19)は、卒業後も同校の進路指導教諭らのサポートを受けた。模試などの情報を提供してもらうなどして、高知大教育学部への入学を決めた。中学生で始めた剣道は2段の腕前で、剣道の指導者との出会いが高知大を目指すきっかけだった。斉藤さんは「高知大で剣道をやりたい」と期待に胸を膨らませている。
同校によると、20年度から3年連続で国公立大に計20人が現役合格を果たした。また、私立の4年制には、北海学園大、札幌大、日本医療大などに11人が現役合格した。私立短大では、今春開設予定の帯広大谷短大看護学科の1人をはじめ、同短大に計8人が入学する予定。
この他、看護系専門学校には、今春開校予定の帯広市医師会看護専門学校に2人など、三つの看護系専門学校に4人が現役合格しており、看護系を除く専門・各種学校には36人が入学予定となっている。
一方、就職では、堀内皓大さん(18)が難関の国家公務員試験をパスして道開発局入りを決めた。堀内さんは幼い頃から道路に興味があり、高校への自転車通学でさらに道路への関心を高めた。
堀内さんは「的確なアドバイスしてくれた高校の先生たちに感謝している」と喜んでいる。他にも、自衛隊(特別職国家公務員)の一般曹候補生に1人、自衛官候補生として2人がそれぞれ入隊する予定となっている。
また、民間企業などには31人が就職する。音更町内に主管工場を置くよつ葉乳業、音更町内に本社を構える柳月や大成塗装工業、帯広市に本社があるマテックの他、胆振管内安平町のノーザンファームで競走馬の厩務員として働く人や、プロミュージシャンとしてラッパー(ラップ音楽の演奏者)になる人もいる。
生徒たちの幅広い分野への進出を、進路指導部を中心とする教諭陣がしっかりとサポートする。重堂校長は「夢や目標に向かって挑戦する生徒たちを最大限応援する高校でありたい」と話している。(内形勝也)