秋サケ4年ぶり100万匹超え 取引単価も上昇
道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場(恵庭市)によると、十勝を含む「えりも以東西部地区」の今年の秋サケ来遊量は11月20日時点で、109万1000匹となった。昨年の実績より68.6%増え、4年ぶりに100万匹を超えた。1匹当たりの取引単価も過去5年の平均を上回った。(安田義教)
前年比68%増
来遊量は、沿岸漁獲量と河川遡上(そじょう)量の合計で、同試験場では、えりも以東西部地区は101万9000匹を予測していた。道内の来遊量の7割を占めるオホーツクは、予測に対して2倍、全道も60%増。近年は不漁が続いていたが回復基調となっている。
漁獲の中心となる「4年魚」について、オホーツク海の4年前の海水温が稚魚に適していたとみられる。えりも以東西部は、昨年発生した赤潮の影響で予測が難しかったというが、同試験場さけます資源部は「予測並みの水揚げになった」としている。
同地区で100万匹に届いたのは2018年以来。ただ記録的な不漁は続いていて、ピーク時の04年(567万匹)と比べると依然として低い水準になっている。
十勝総合振興局がまとめた管内の漁獲量(速報値、11月28日現在)は56万匹で昨年より76%増え、過去5年の平均43万2000匹よりも30%多かった。1匹の取引単価は2651円で、不漁だった昨年と比べると低いものの、過去5年平均の2580円を上回った。主力のオホーツク海の水揚げ量が、漁期前半は少なかったためで、同振興局水産課は「十勝沿岸では早い時期に取れたことで、10月以降にオホーツク海が本格化して価格が下がる前の段階で売れた」とみている。
秋サケ定置網漁は十勝管内の沿岸漁業の主力で、8月30日~11月20日に行われた。