学習発表会、様変わり 音読に九九…授業成果披露の場に
帯広市内の小学校で学習発表会シーズンを迎えている。帯広市教委は今年度、コロナ下での学校行事の在り方を見直し、練習時間の削減や、日頃の学習活動の成果の発表の場としての位置付けを明確化することを決めた。各小学校では各教科の授業を生かし、コロナ前とはひと味違った発表会が繰り広げられている。一方、発表会に向けて劇に取り組んだ学校も練習時間の確保に工夫を凝らす。(澤村真理子)
コロナの感染者が減少しない中、今年も各校では学年ごとなどの分散開催としている。森の里小(折出雅史校長、児童275人)では10日午後、2年生の発表会が行われた。49人の児童が「2年生のキラキラな一日☆」と銘打ち、国語と体育、音楽の授業で取り組んだ内容を中心に発表。物語教材「お手紙」の音読や器楽演奏、マット運動とダンスを披露し、合間には九九も暗唱した。
2年1組担任の伊藤加奈教諭は「日頃勉強していることをベースにして、お家の人にお見せできればと考えた。新たに何かを用意することが少なくなり、その分の負担は減っています」と話した。
帯広小(早川一之校長、児童189人)はコロナが感染拡大した2年前、「学芸会」としていた名称を「学習発表会」に変更した。過去2年に続いて、今年も音楽の授業を生かした合唱や器楽中心のプログラムとした。「日常生活の延長を基本としているが、子どもたちに充実感や満足感を得てもらうため趣向を凝らしている」(同校)とする。
一方、従来同様に劇を取り入れる学校では、練習時間の確保に一工夫する。複数の学年が劇に取り組んだある小学校では、劇中で披露する合唱を音楽の授業で習った歌にしたり、国語の教科書の題材を発展させて劇を作るなどした。1、2年生が劇に取り組む別の小学校では、国語の授業の音読で、劇の発声練習につなげた。
劇を取り入れた学校の教職員は「子どもたちにも(劇の体験を)味わわせてあげたいし、授業とは違う姿を保護者も見たいだろうと思う。劇の背景の絵を再利用するなど働き方改革を意識して取り組んでいる」と話す。
学習発表会は10月下旬から12月上旬まで行われる。