芽室町長選 伊藤氏、手島氏が立候補
【芽室】任期満了に伴う芽室町長選が5日告示され、新人で無職の伊藤稔氏(62)、現職の手島旭氏(55)=1期=の2氏が立候補を届け出た。再選を目指す現職に新人が挑む構図で、現町政の継続か刷新かが争点となる。投開票は10日。
2期連続の選挙戦は1967年以来55年ぶり。
後援会や事務所を持たない伊藤氏は午前9時半から町中央公民館前で第一声を上げた。手島氏は同8時半から選挙事務所で出陣式を開き、同9時半から事務所前で第一声を行った。
伊藤氏は「選挙結果を現職1期目の通信簿に」と立候補。若者・女性が働きながら議員を務めることを想定した議会の夕方開催、公営住宅を学生に提供し、市街地の活気を取り戻す取り組みなどを公約に掲げる。
手島氏は町の第5期総合計画後半との整合性も踏まえ、農業や医療福祉、教育など幅広い分野を網羅した7柱66項目の公約を掲げる。農商工各界から支援を受け、1日には自治労北海道からも推薦を得た。
立候補の届け出は午後5時に締め切られる。正午現在、2氏以外の届け出はない。町選管によると、4日現在の選挙人名簿登録者は1万5252人(男性7222人、女性8030人)。(石川彩乃、大健太郎)
(候補届け出順)
伊藤稔候補(62)無・新
女性や若い人の議会参加を
芽室町長選が無投票になると聞き、これではいけないと思い、立候補を決意した。議員のなり手がいなく高齢化が進んでいるが、報酬を上げても効果はない。
一番やりたいのは、女性や若い人たちが町議会に参加できるよう、仕事終わりに夕方から参加できる仕組みを作って議会を活性化したい。そうすれば町は良い方向に行くと思う。人流が増えて、商店街がよりにぎわうような仕掛けを作る。公約を町議会のホームページに公開し、任期中はいつでも有権者が見られるようにしたいと思う。
<いとう・みのる>
1959年芽室町生まれ。75年、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。79年科学技術学園高校名古屋分室卒。2019年に同社を定年退職し、21年帰郷した。
手島旭候補(55)無・現
「チーム芽室」で輝くまちを
1期4年間、新型コロナウイルスや町政課題に全力で取り組んできたが、まだ成果がでていない課題、新たな課題もある。次の世代へ輝くまちをつないでいきたい。町民はもちろん、芽室を応援する人、移住する人が手を取り合ってまちづくりを進める「チーム芽室」の視点が必要だ。
農業分野や行政手続きでのデジタル化促進は、自治体の大きな責務であり課題。教育・子育て支援のほか、新工業団地の造成、ふるさと納税3倍を実現したい。芽室の自然・農業・食・人を生かしたまちづくりを進める。
<てしま・あきら>
1966年帯広市生まれ。帯広三条高卒。85年に芽室町役場入り。企画財政課長、産業振興課長を経て、2018年に農林課長を辞して町長選に出馬、初当選。1期。