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人の気配「気持ちの良い場所と人」

「TINY GARDEN 蓼科」責任者の粟野龍亮さん

 旅ではなく、移住でもない、滞在という言葉を意識するようになった。例えば1週間ほど家とは別の場所で過ごしてみる。そこで得られる感情やインスピレーションが、ここ数年はとても魅力的なものに思えるのだ。

 有意義な滞在をするためには、自分にとって居心地の良い場所を知っている必要がある。長野県茅野市の蓼科(たてしな)湖畔にあるキャンプ場「TINY GARDEN 蓼科」が、僕にとってのそれである。キャンプスペースの他にもホテルのような部屋やキャビン、ワーケーションのための施設があり、レストランも併設されているこの場所は、滞在をするにはとても良い環境。「暮らすように過ごす」というコンセプトにも共感し、責任者の粟野龍亮さんとも仲良くなった。

 僕より年下のその人は、そうは思えない落ち着きがある。行動力や決定力も必要な立場だろう。さらに、周りにはさまざまな人が集まり、先日出演した「TINY GARDEN FES-TIVAL 2022」の際も、粟野さんには「人の気配」があった。

 それはなぜか。すぐに「経験」という言葉が頭に浮かんだ。まだまだ知らないことの方が多い関係ではあるが、幾つかの仕事を経験し、幾つかの街で暮らしてきたからこそ、しなやかな考えを持っていることはわかる。自然を相手にも臨機応変に対応しながら、自分が気持ち良いと思えることを信じ、日々の中で積み重ねているように思う。粟野さんと話していると、こちらも気持ちが良い。

 新曲『雨』は、誰もが持つ迷いをテーマにしているが、自分が心地よく過ごせる場所に滞在し、遠くから自分の日常を眺めてみるのはおすすめだ。もしもそういう場所を探す日が来たら、十勝からは少し遠い「TINY GARDEN 蓼科」のことも思い出してほしい。



<Keishi Tanaka(タナカ・ケイシ)>
 ミュージシャン。1982年大樹町生まれ。大樹小、大樹中、帯広柏葉高卒。昨年のV6への楽曲提供が話題。新曲『雨』をリリースし、全国11本のツアーが始まる。

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