父の日商戦 アウトドア、ホームウェア、酒類が人気
帯広市内の大型店などでは、19日の「父の日」に向け、商戦が本格化してきた。母の日と比べると市場規模は小さいものの、今年もコロナ禍を反映し、在宅やアウトドアで使える商品を中心に販売を強化している。コロナが収まりつつあり、客足が回復傾向を見せていることから、各店とも昨年をやや上回る売り上げを期待。商戦のピークは今週末と来週土曜と予測している。
藤丸では、5月の中旬から各売り場で父の日向けの商品を展開。9日からは全館で父の日フェアを開催し、財布やタオルなどの小物やポロシャツなど売れ筋の充実を図ってきた。ここ数年、特に力を入れるのがアウトドア用衣料。担当者は「特殊素材で防虫効果を発揮するとされる『着る防虫』が一押し。パーカやズボン、帽子などがあり、ガーデニングやキャンプ、バーベキューの多くの場面で活躍する品」とPRする。
ほかには今後活躍しそうな「涼」関連の雑貨品を東急ハンズ売り場で展開している。担当者は「父の日の平均単価は5000円前後。普段の買い物よりも良いものを求める人が多い」とする。
イオン帯広店では、「コロナ禍で増えた在宅時間を快適に過ごす」をキーワードとする。衣料ではホームウエアのアイテムを強化、単価はセットで3000~4000円程度が主流。
定番ギフトの酒類も盛況で、ビールは期間限定品や異なる種類を詰め合わせたパックなどを発売。ウイスキーはNHK朝ドラ「マッサン」放送以来、常に品薄状態だが、この時期はコーナーを拡充して販売する。大場浩司食品販売課長は「高級なものほど手に入りにくいが、じっくり選べるよう種類は多めに並べている」と話している。
飲食店では「父の日」需要を取り込もうと、テークアウト向けに商品開発する動きも。市内の「鶏の伊藤」では、父の日のギフトとして「おつまみセット」を10日から販売している。空揚げなど、普段同店で人気のおつまみ5種類を詰め合わせた。単品では合計3500円になるが、ギフトは3000円で販売する。すでに予約も入っている状況。伊藤恋取締役は「外食がしにくい環境でも、日々頑張っているお父さんの好きなものを食卓に並べ、家族でだんらんしてほしい」と話した。(吉原慧)