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「紫竹おばあちゃんの庭」今年も ガーデン開園

花壇の手入れをして、来場者を迎える隈本和葉さん(24日午前9時ごろ、金野和彦撮影)

 紫竹ガーデン(帯広市美栄町)が今季の開園を迎えた。昨年5月4日、同園の創業者、紫竹昭葉(しちく・あきよ、本名・昭代)さんが亡くなってから初めての開園。紫竹さんの思い出があふれるガーデンにはチオノドグサなど球根類の花が芽吹き始めている。

 同園は夫の死を機に紫竹さんが1992年にオープンさせ、今年で30周年を迎える。

 紫竹さんの長女で同園の取締役専務を務める隈本和葉さん(73)は「お客さんがおばあちゃんのことを花の妖精のようだ、とよく言っていた。最近、もしかしたら本当にそうだったかも、と思う」と紫竹さんの存在の大きさを時折涙ぐみながら語った。

 昨年は紫竹さんが亡くなってからの6、7月にガーデンの花々が最盛期を迎えた。しかしそんな景色も和葉さんには「くすんで見えた」。紫竹さんのように花に愛情を注ぐことはできないと感じ、生前、紫竹さんが「私がいなくなったら庭を引き渡してもいい」と言っていたことが頭をよぎった。

 悲しみに暮れる中、和葉さんが改めて庭を歩くと、紫竹さんがお客さんと一緒になって花を楽しむ姿が思い出された。庭を通してたくさんの人との出会いがあった。そんな場所を「ここで終わらせてはいけない」と同園を続けていくことを決意。「主人(隈本毅社長)と従業員、みんなが無理することなく進めていこう」と再出発し、16日に今季オープンした。

 和葉さんは紫竹さんについて「すごく愉快な人。花と人が好きで、人を楽しませたいという気持ちが旺盛だった」と振り返る。「おばあちゃんのようにはできないけど、お客さんを巻き込んで楽しめる場所にしたい」と新たな取り組みにも意欲を見せた。

一周忌の4日 献花台を設置
 GW期間の29日~5月9日は来場者にユリの球根を配る。紫竹さんの一周忌の4日は外周36センチの巨大球根をプレゼントする予定で、献花台も設ける(9日まで)。午前8時~午後5時。期間中無休。

 紫竹さんは生前、園内を歩いて土が見える場所を見つけては種をまいていた。「とんでもないところから花が咲いていたらおばあちゃんの仕業かも」と笑う和葉さん。ガーデンには今年も「紫竹おばあちゃん」が愛した草花が美しく咲いている。(近藤周)

手作りの帽子を手にガーデン散策を呼び掛ける隈本さん

昭葉さんのトレードマーク カラフル帽子貸し出し
 紫竹おばあちゃんのような帽子をかぶってガーデン散策を-。紫竹ガーデンでは、創業者で前社長の紫竹昭葉さんのトレードマークだったカラフルな帽子を来場者に貸し出している。

 紫竹さんの帽子は、学生時代からアートフラワーを学んできた、紫竹さんの長女で同社専務の隈本和葉さん(73)が手作りしてきた。紫竹さんについて「人生を楽しむのに貪欲だった。私たちも見習いたい」と語る和葉さん。何か面白い企画を-と帽子の貸し出しを思いついた。

 帽子は2カ月ほど前から和葉さんが約100個を手作りした。赤や白、黄色、青など色とりどりで、たくさんの花の飾りがあしらわれている。光触媒加工で抗菌効果もある。

 和葉さんは「帽子で庭を華やかにしてもらいたい。庭に紫竹(昭葉さん)がいっぱいになれば」と楽しみにしている。(澤村真理子)

関連写真

  • 花壇の手入れをして、来場者を迎える隈本和葉さん(24日午前9時ごろ、金野和彦撮影)

    花壇の手入れをして、来場者を迎える隈本和葉さん(24日午前9時ごろ、金野和彦撮影)

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