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及川佑の目「森重選手は持ち味生かした」男子1000メートル北京五輪スピードスケート

 森重航選手はスタート前から落ち着いた表情やしぐさがうかがえ、スタートから良いレースができていたと感じました。一つ挙げるとすれば、200メートルを過ぎたコーナーで自分が思っているより多少スピードの乗りが良く、出口で膨らみ気味になったところで、少しスピードをセーブしながらコーナーを抜けていったように見えました。そこでバックストレートからのスピードの乗りに若干影響が出たように感じます。ただ、全体的に持ち味を生かした素晴らしいレースだったと思います。

 新濱立也選手はスタートで少し身体が浮いてしまったように見えました。ミスをしてしまった500メートルの後のレースですから、少なからず頭には残っていて、スタートの姿勢を下がり過ぎないように注意したのでしょう。最初のコーナーで思っているよりスピードに乗り切れず、200メートル通過時のストレートではいつもより強く氷を蹴ってしまっているように見えました。 新濱選手は本来、パワーを生かして体重移動で楽にスピードを出していける選手です。前半にスピードを出そうと力を使ってしまった分、後半に自分が思っているより疲労が来てしまったのでしょう。

 小島良太選手はスタートから大きなミスもなく、いい滑りだったと思います。しかし、1500メートルもこなせる後半型の小島選手が、疲れて後半にスピードが落ちていたというのは、この日のリンクは彼にとって少し難しかったのでしょう。
(及川佑=トリノ五輪500メートル4位)

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