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「人間力なくして競技力の向上なし」 真摯にスケートに向き合い続ける高木美帆

 【中国・北京=北雅貴】北京五輪スピードスケートの女子1500メートルが7日、現地で行われ、幕別町出身の高木美帆選手(27)が2大会連続で銀メダルに輝いた。目標にしていた金メダルこそ0秒44差で逃したものの、たゆまぬ努力と高い人間性が成長の原動力となっている。

 「難しい環境の中で開催していただいたのはすごくありがたい。この舞台に立てていろいろなものを得られている」。7日夜に行われたメダリストの記者会見。高木選手は感謝の言葉を述べた。

 昨年から続くコロナ禍での日々。「スポーツは不要不急」との声も耳に入った。「いろいろな意見があるのは理解している。それもそうだなとも感じる」と、否定することなく受け止めつつ、陸上でも氷上でも地道にトレーニングを重ねてきた。

 昨年末の日本代表選手選考競技会は、ワールドカップで海外を転戦した選手が、帰国後に隔離する必要があったため大会日程がずれた。最終日が大みそかとなり、「忙しい年末に開催してもらった。私に限らずこの舞台が最後になったり、すべてを懸けていたりする選手がいる。感謝の気持ちでいっぱい」と話した。代表決定後の決意表明で、「人間力なくして競技力の向上なし」とも語った。

 真摯(しんし)で手抜きをしない性格だ。2020年から帯南商高スケート部の監督を務める白幡圭史さん(48)は、高木選手のジュニア時代に日本スケート連盟の指導者として教えた。練習メニューを伝えると意図を尋ねられ、驚いたという。10年のバンクーバー五輪に出場した後にフォームの見直しを提案。「0・1秒でも速くなる可能性があるなら挑戦したい」と受け入れられた。

 勉強に関しても同高に赴任後に同僚の教諭らから当時の様子を聞いた。「冬の間ほとんどいないのに検定試験は合格しているし、成績もオール5。いつ勉強したんだろうと話題になった」と笑う。日体大に進学後も変わらない。学生が200人ぐらい受けていた授業で最前列に座り、疑問に思ったことは質問した。

 前向きで旺盛な好奇心はスピードスケートにもつながる。日本スケート連盟のホームページに掲載されたプロフィル。趣味の欄が今季、「ジグソーパズル」から「本屋巡り・読書」に替わった。「いろいろなジャンルの本をよく読むようになった。経験上、何となく感覚でやっていたことが明確化されることもある」という。飽きることない探究心の成果を、今後の種目でも発揮するつもりだ。

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