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トムラウシ山の「トイレ問題」 携帯式4割持参せず

プロジェクトの一環で設置した携帯トイレ配布ボックス(昨年7月)

 【新得】大雪山系トムラウシ山(2141メートル)の「トイレ問題」改善に向けて活動する、道などの「トムラウシ南沼汚名返上プロジェクト」は、登山者に対するアンケート結果をまとめた。携帯トイレを持参していない登山者は全体の約4割にのぼり、その理由は「日帰り」が大半を占めた。事務局の十勝総合振興局は、「引き続き、山のトイレ問題解決に向けた取り組みを進めたい」としている。

 トムラウシ山では、登山者の排せつ物や使用済みティッシュペーパーが放置されている問題が表面化。道や環境省、地元の新得山岳会(小西則幸会長)などは2017年に同プロジェクトを始め、携帯トイレ普及啓発などに取り組んでいる。

 本年度は、携帯トイレの実情を探る登山者アンケートや、携帯トイレ配布ボックス設置などの活動を展開。このうち、アンケートは昨年8月8日に登山者48人から聞き取った。携帯トイレの所持率は64%。意見・要望欄では「登山で携帯トイレを持ち歩くのは当たり前」と答える登山者もいたが、携帯トイレ所持数はわずか一つの登山者もみられたという。

 携帯トイレ配布ボックスは、「持参していない登山者が現地で入手できるように」と、短縮コース登山口に昨年7月9日から10月13日まで設置した。計190個が配布され、登山者から受け取った協力金(携帯トイレ1個500円)は計7万5781円が集まった。回収した携帯トイレは、登山者が持参した分も含めて1453個だった。

 アンケートや配布ボックスの設置活動などを受け、同局は「携帯トイレの認知度は高い水準で、これまでの普及啓発の成果」(環境生活課)とし、「活動から得られたデータをもとに、来年度以降も関係機関と連携し、山のトイレ問題解決に向けて取り組みたい」(同)とする。(松岡秀宜)

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