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10代進まぬ接種 副反応懸念、行事で見送り

 新型コロナウイルスのワクチン接種が十勝管内でも若年層に進み、小中学生の子を持つ保護者からは、副反応への懸念や学校行事との兼ね合いで接種をためらう声が聞かれる。帯広市など他世代と比べて10代の接種率が低い自治体もあり、若い世代が自ら接種について判断するためのチラシを作ったり、夜間接種を計画したりしている。
(澤村真理子、松村智裕)

 「副反応への心配以上にコロナの感染が怖かった」。帯広市の女性会社員(50)は9月下旬、小学6年の長男が1回目を接種した。かかりつけ医院からの案内もあり家族で相談して決めた。「腕が痛くなった程度でほっとしたけど、2回目もやはり心配」と語り、接種効果に期待しながらも不安な心境を口にした。

 アレルギー体質の中学3年の息子を持つ十勝管内の女性(50)は現時点で接種させない考え。「ワクチンを打たない人も理由があっての選択だと思う。『打たないことがいけない』とならなければいい」と偏見を懸念した。

 10代の接種では、学校行事や少年団活動への影響から日程調整が難しいとの声も。小学6年の娘を持つ幕別町の女性(47)は、10月上旬に予約した接種を見送った。緊急事態宣言の解除で少年団活動が再開したためで、「副反応で練習や最後の試合に出られなくなったらかわいそう」と理由を語った。

若年層夜間実施 チラシで後押し
 幕別町では4日時点の12~15歳の1回目接種率が44・2%で全世代で唯一、半数に達していない。町は若年層が受けやすいように11月に夜間接種を実施する。

 一方、音更町は12~15歳の接種率が5日現在で74・8%、16~19歳が81・5%と帯広圏の1市3町で最も高い。受験などを考慮した8月の生徒らへの優先接種申請に、全体の2割が申し込んだ。高い接種率について町保健課は「学校関係のクラスターもあり、意識が高まったのでは」とみる。

 帯広市は9月16日から39歳以下への接種を開始。12~15歳には若年層向けのチラシを同封し、ワクチンの効果や副反応を紹介している。同29日時点の1回目接種終了者は20、30代が50%を超えているのに対し、10代は25%と低くなっている。

 札幌医科大学の横田伸一教授(微生物学)は「若い世代は軽症、無症状で終わるのにワクチンのメリットがあるのか、という考え方は確かに誤りではない。ところが最近は軽症でも倦怠(けんたい)感や息苦しさ、味覚・嗅覚障害、脱毛などの後遺症が残るケースがあり、現状では決定的な治療法もない。ワクチン接種を積極的に考えていただきたい」と話している。

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