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コロナ禍で募金など収入減 イベント中止 盲導犬の育成支援

中原さんに寄り添う「オペラ」。コロナ禍で盲導犬の育成に使われる募金収入は減っている

 新型コロナウイルスが盲導犬の育成にも影響を及ぼしている。北海道盲導犬協会(札幌)が行う啓発活動やイベントは相次いで中止となり、盲導犬の育成にかかる募金収入が減少。帯広でも、関連団体が15日に計画していた街頭募金が感染拡大により中止に追い込まれた。道内では今も十勝在住者を含む約20人の視覚障害者が盲導犬の貸与を待っており、コロナ収束の見通しも立たない中、厳しい状況が続いている。

 道内の盲導犬は同協会が育成・貸与している。十勝管内では現在3人が貸与を受け、盲導犬をパートナーに暮らしている。

 同協会によると、盲導犬1頭を育成するのに約500万円の費用が必要で、例年は飲食店などに設置の「ミーナの募金箱」や街頭活動で募金を呼び掛ける。同募金箱は道内では6000カ所、十勝管内でも209カ所に置かれている。ただ、今年は新型コロナの影響で飲食店休業や外出自粛があり、「集計はこれからだが寄付額の減少が懸念される」(同協会)という。

 帯広では例年行われている「福祉フェスティバル」をはじめとするイベントなどでの啓発活動や、街頭募金も相次いで中止に。ここ数週間の感染拡大でさらに状況は厳しさを増し、「民間のイベントの中止が広がり、(募金額も含めて)先の見通しが立たなくなっている」(同)。また、視覚障害者向けに行う、盲導犬を知って体験する機会も失われているという。

 十勝視覚障害者の会とガイドヘルプボランティアくるみの会(帯広)が「帯広から北海道を盛り上げよう」と、15日に市内で計画していた街頭募金も中止となった。管内の視覚障害者とパートナーの盲導犬も参加し、盲導犬への理解と支援を呼び掛ける予定だった。

 街頭募金に参加を予定していた市内の中原雪子さんは、7年ほど前に病気で視力をほぼ失い、5年前に盲導犬の「オペラ」(6歳、ラブラドルレトリバー)をパートナーに迎えた。盲導犬について知ってもらおうと小学校などで講演してきたが、それもコロナ禍でできなくなった。

 中原さんは「街中で盲導犬を見ても触らないでほしい。困っている様子だったら声を掛けて」とする一方、「悪気はなく、盲導犬について知らない人が多い。後輩犬のためにもユーザーとして伝えていきたい思いはある」と講演活動を再開できる日を待っている。

 十勝視覚障害者の会とくるみの会の街頭募金は中止になったが、事前に寄せられた約3万円は道盲導犬協会に寄付された。寄付は同協会のホームページからでき、併せて「ミーナの募金箱」の設置者も募集している。(松田亜弓)

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