岡田元日本代表監督、鹿追でサッカー指導
【鹿追】サッカー元日本代表監督の岡田武史さん(64)が9日、鹿追町を訪れ、町内の子どもたちにサッカーを指導した。鹿追高校(俵谷俊彦校長)では地域とスポーツの関係などをテーマに生徒と対話し、「スポーツには地域を元気にする力がある」と強調した。
同校と町が今年、岡田さんとNECの協力を得て、岡田さんが提唱するサッカー指導理論「岡田メソッド」を町内の子どもたちの指導に取り入れたことを受けて、来町が実現した。
町総合スポーツセンターで行われた小学生から高校生までの練習には、岡田さんと、岡田さんが代表を務めるFC今治(愛媛県今治氏)の橋川和晃アカデミー・メソッドグループ長が参加。考えながら練習することの大切さなどを説いた。
中高生を指導した岡田さんは「レベルが高くて驚いた。工夫しながら練習を重ねれば必ず良いチームになる」と話した。鹿追高サッカー部の井出陽介主将(16)は「貴重な経験をさせてもらった。選手の動かし方、説明の仕方など全て見習いたい」と感激した。
一方、同校での対話集会には、探究学習の中でスポーツによる地域活性化や部活動改革をテーマに活動している生徒やサッカー部員ら約30人が参加した。
兼部を進める部活改革や、子どもたちのスポーツ体験の機会充実などを柱とする取り組みについて、岡田氏は「これからの地方のスポーツの在り方を考えるポイントが全て入っている」と評価。部活改革プロジェクトリーダーの田村航さん(17)は「岡田さんの話を聞いて翼を与えられたような気持ち。前例のないプロジェクトだが、失敗しても次に生かして頑張ろうと思う」と話した。
町内では今夏、子どもから社会人までが参加するサッカーのクラブチームが発足。岡田メソッドを活用し、世代の枠を超えてサッカーを楽しめる環境づくりを目指している。
岡田さんは「サッカーに限らず、スポーツで子どもたちが笑顔になることが大人の希望。町内が一体となって生き生きとしてくれば自然と人も集まる。メソッドを使って町おこしをしようという鹿追に、私もまた機会があったら来たい」と語った。(丹羽恭太)