白樺学園のエース片山最速143キロ、スカウトも太鼓判の好投
高校野球の夏季北海道大会北北海道大会十勝支部大会は24日午後、帯広の森野球場でDブロック準決勝を行い、来月の甲子園交流試合に出場する白樺学園が初戦に臨み、古豪の帯柏葉を八回コールドの7-0で下した。白樺学園の右腕エース片山楽生(3年)は最速143キロの速球など快投を演じて7回奪三振無失点。プロ野球のスカウトも太鼓判を押す見事な投球だった。白樺学園は最終日の26日正午開始予定の代表決定戦で、来春閉校予定の江陵と対戦する。(岡部彰広、金野和彦)
<Dブロック準決勝・白樺学園-帯柏葉>
白樺学園は初回2死一、二塁の先制機を逸したが、二回に宍倉の内野安打、玉置のバント安打に業天の犠打で1死二、三塁とし、岩田の内野ゴロが捕球ミスを誘い先制。川波の中犠飛で2-0とした。五回には細谷の左前打を足掛かりに暴投で加点。八回には2四死球で2死一、二塁から川波の中前適時打で4-0とすると、さらに2死満塁から敵失や二ツ森の適時打でダメ押しした。
帯柏葉は無死からの走者を4度出したが、けん制死などで好機を広げられなかった。左腕の青柳は五回まで3失点しながら相手強打戦を4安打に抑える好投。坂東も力投したが、計9与四死球が試合の行方を左右した。
◆エース片山、無駄な力を抜いて最速143キロ好投
大事な夏の初戦でやはり頼りになったのはエースだった。古豪帯柏葉を相手に、白樺学園の148キロ右腕・片山楽生(3年)が七回まで4安打9奪三振、無失点に抑える好投。「自分はスロースターター。だんだん良くなっていった」と胸を張った。
調子を崩していた。11日の駒大苫小牧との練習試合では三回を4安打1失点。球が高めに浮いていた。「フォームが固まっていない」。昨秋より7キロ増量し大きくなった体もまだ有効に使えていない。劇的に回復する手だてはないが、戸出直樹監督から「左足を出して投げるだけだぞ」という何気ない言葉に難しく考えることをやめ、無駄な力を抜くことを意識してから、だんだんと改善していった。
この日は球の回転こそ不満を残したが、二回に最速143キロをマークするなど、直球は常時140、141キロ。降板直前の七回に入っても140キロを出すなど衰えず。視察に訪れたヤクルトスカウトの伊東昭光編成部部長は「きょう初めて見たが、非常に小気味よい投球。キレの良いストレート、スライダー、カットボールで三振も多い。けん制、バント守備も上手で総合的に非常に高いレベルにある。投手としての雰囲気も持っている。ヤクルトのリストには入っている」と評価した。
味方の鉄壁の守備にも支えられ、67球の省エネ投球で仲間に後を託した。「最高の夏の終わり方を目指している。甲子園でも勝って無敗で終わりたい」。強敵を完封しての勝利は、新たな闘志をかき立てる一歩となった。
◆高校野球
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・白樺学園 7-0 帯広柏葉-勝毎電子版特設ページ