福祉の新事業所が誕生 児童支援と障害者支援 コロナ後の“共生”づくりに期待
新型コロナウイルスの感染防止対策が続く中、帯広市内では今月、新しい福祉事業所が相次いで産声を上げた。児童デイサービスを手掛ける「はじめのいっぽ結(ゆい)」(東1南28)、障害者の自立をサポートする就労継続支援B型事業所「きずな西3条」(西3南3)。外出自粛や休業要請の中、身動きが取りづらい状況が続くが、“コロナ後”は他の福祉事業所と共に十勝に共生の心を育てる。(奥野秀康)
多世代の笑顔集う場所に
児童デイサービス・はじめのいっぽ結
「はじめのいっぽ結」(石橋わか子代表)は、2012年に開所した児童通所施設「はじめのいっぽ弥生」の隣接地に建設された。当面は「-弥生」の待機児童を受け入れるために放課後デイサービスから事業を始めるが、将来は高齢者向けのデイサービスにも参画する計画。「子どもやお年寄り、保護者、いっぽの卒園生らが集う場所にする」(石橋代表)という。
保護者や地域住民、関係者を招いたお披露目を計画していたが、新型コロナウイルスの影響で開催を断念した。12日に「いっぽ」の職員と通所した子どもが参加し、ささやかに開所祝いを実施。「-結」を笑顔があふれる場所にしていくことを誓った。
先生や友達と麦茶で乾杯した武田逢太君(10)=帯広=は「部屋が前より広くなってうれしい。みんなとたくさん遊びたい」と笑った。結は今後、新型コロナウイルスの収束状況を見ながら、日中一時支援や高齢者のデイサービスへと事業を段階的に広げていく。
働ける場所 選択肢を拡充
就労継続支援B型事業所・きずな西3条
「きずな西3条」は、クリーニング資材などの総合商社タナカ(帯広、小森大地社長)の関連会社ワークアースが運営する福祉事業所だ。ワークアースは帯広と札幌に就労継続支援B型事業所を設置しており、「西3条」は5カ所目。
同社は2015年1月に精神障害者や知的障害者らを支援する就労継続支援事業を始めた。5年間で契約者が約130人(帯広と札幌の合計)となり、20人以上が就労継続支援A型や一般企業の障害者雇用へとステップアップしていった。
「きずな西3条」は利用者の受け入れ枠を拡大すると同時に、働ける場所や仕事内容などの選択肢を拡充するために新設した。作業内容はハンガー拭きやウエスづくりなど。
サービス管理責任者の鈴木ゆみさんは「静かで仕事を始めやすい環境を整えている。見学や体験からでも構わないので、ぜひ連絡を」と呼び掛けている。問い合わせは、きずな西3条(0155・67・7390)へ。