こどもの日 放流待つサケの稚魚たち
きょう5日は「こどもの日」。毎年、この日に行われている「サケの稚魚市民放流祭」(とかち帯広サケの会主催)が、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となった。当日放流予定だった、子どもたちが飼育してきたサケの稚魚1万3000匹が、放流の時を待ち、飼育槽の中で所狭しと勢いよく泳ぎ回っている。
この稚魚は帯広第八中学校の敷地内にある観察小屋と、近くの水路で飼育されている。同校自然観察少年団が、臨時休校になるまで飼育を続けていた。
1万3000匹のうち2000匹は、昨年10月に少年団員が人工授精させ、12月にふ化した。現在、体長は7センチほど。残りの1万1000匹は、受精卵を管内のふ化場から譲り受けてふ化させた。
同放流祭は、帯広市内の売買川サケのふるさと公園で開催、地区の住民にとって風物詩となっている。イベントは中止となったが、学校が再開されれば、少年団員が稚魚を放流する予定だ。
少年団でサケの管理全般を指導する、水産庁さけますセンターの元帯広事業所長の石垣章さんは「毎日のように世話をしてきただけに、子どもたちが自分の手で放流できないことは残念。放流のタイムリミットも迫ってきている」と話している。(新井拓海)