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「カワアイサを町の鳥に」 陳情めぐり頭悩ます 音更町議会

春になると、役場敷地内の池に姿を見せるカワアイサの親子

 【音更】町議会総務文教常任委員会(坂本夏樹委員長)が、カワアイサを町の鳥として制定するよう求める町民からの陳情をめぐり、扱いに頭を悩ませている。花と木は40年も前に定められており、町の鳥がこの時期に浮上したことへの戸惑いが背景にある。中には「カワアイサとする根拠は」「そもそも町の鳥を決めるべきか」といった声も。3月定例会中の結論は見送られる方向で、着地点の見えないまま結論が長引く様相をみせている。

 陳情者は、役場西側の千畳池と、その高台にある千畳敷公園の自然保護や生態系の保全を目的とした「千畳敷自然を守る会」の山西信一会長。カワアイサが毎年、役場敷地内の池に姿を見せることから、陳情では「カワアイサによる市街地での小さな命の営みは全国的にまれなケースであり、町全体の町民の輪で末永く見守っていけるように」と制定を求める理由を述べる。今年の開町120年記念事業において制定するよう求めている。

 陳情書はカワアイサを町の鳥に制定することに賛同する556人(うち町民は394人)の署名を添えて提出され、1月14日付で受理された。

 審議を付託された総務文教常任委員会は5日、「そもそも議会で議決できる案件なのか」「カワアイサを町の鳥として制定する意義を慎重に考えるべきだ」といった意見があった。議論の末、町に対してカワアイサの生態や生息地などに関する資料の提出を求めた上で、継続審査の案件とする方向で今回は落ち着いた。

 今後の開催時期は未定で、6月定例会までに何らかの動きがあるとみられる。

 町総務課によると、40年前の開基(現開町)80年記念事業として、企画委員会が独自に町民対象にアンケートを行い、多数の応募があったスズランを町の花に、シラカバを町の木に定めた経緯がある。素案には町の鳥の記載があったもののその時に制定はされず、「なぜ決まらなかったのか、詳細は不明」(町総務課)という。

 十勝毎日新聞の調べによると、管内自治体の鳥は音更町、池田町、豊頃町、更別村を除く15市町村が制定している。(小縣大輝)

<カワアイサ>
 カモ科の鳥。冬鳥として河口や湖沼に渡来、道内でも少数が繁殖している。音更では例年5月、役場敷地内の池の付近で営巣し、親子が約1・5キロ離れた音更川に移動する光景が見られている。

関連写真

  • 春になると、役場敷地内の池に姿を見せているカワアイサの親子(新井拓海撮影)

    春になると、役場敷地内の池に姿を見せているカワアイサの親子(新井拓海撮影)

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