岡田元監督のサッカー理論「岡田メソッド」鹿追高で実践
【鹿追】町は来年度からNECなどと連携し、サッカー日本代表元監督の岡田武史氏(63)のサッカー理論「岡田メソッド」を、ICT(情報通信技術)を活用して鹿追高校など町内の子どもたちのサッカー指導に取り入れる。全国初の取り組み。レベル向上や指導者の負担軽減が期待される。
町、NEC、岡田氏、鹿追高校の4者による事業。
中学や高校の部活動の指導者は専門外の種目を教えることも多く、最新のスポーツ理論に基づいた指導を期待するのは難しいのが現状。教員の働き方改革も求められる中、指導の質を向上させながら負担を軽減することが求められている。
NECがこうした要請にICTを活用して応えようと、岡田氏と協力して岡田メソッドの普及に向けた実証実験を始める。実験に協力する慶応大学の関係者と鹿追高校の俵谷俊彦校長に交流があった縁で、鹿追で実施することとなった。
実験では、岡田メソッドに基づいたトレーニングメニューや指導方法、子どもたちの情報などを管理するタブレット端末を用いて指導に当たる。指導者はシステムや理論の改善点をNEC側にフィードバックする。
鹿追高校サッカー部の他、町教委は中学の部活や少年団の練習にも取り入れる方針。これにより、小学生のころからどのようなトレーニングを行ってきたかなどの情報を中学、高校とスムーズに共有することが期待される。
町教委は「一貫した指導体制の確立は、鹿追高校への進学者確保の面でも追い風になるのではないか」と期待している。
NECは実証実験を踏まえ、将来的にはICTを活用したスポーツ指導の支援を、他の競技にも展開したい考え。(丹羽恭太)
<岡田メソッド>
岡田武史氏が提唱する「日本人が世界で勝つためのイノベーティブなサッカーを確立するための指導法」。目指すサッカースタイルを実現するためのプレーの原則「プレーモデル」を柱に、そこに到達するための年代別のトレーニングプログラムやコーチング理論、コンディショニング、評価法などを体系化したもの。