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長寿ゾウ「ナナ」ずっと元気で おびひろ動物園

約55年間帯広で過ごしてきたナナ。健康で長生きしていることは当たり前ではない

 おびひろ動物園(柚原和敏園長)の“おばあちゃん”ゾウ「ナナ」(58歳)。日本で最高齢の雌のアジアゾウで、長年市民らに愛されてきた人気者は、今シーズンも元気な姿を来園者に見せている。訪れた子どもらからは「いつまでも元気で」とメッセージも寄せられている。16日は敬老の日-。

 ナナは1961年にインドで生まれ、推定3歳で来園した。当時は体高約120センチの小さな子ゾウでおてんばな性格だったが、いまやアジアゾウ全体でも国内2番目の高齢に。人間にたとえると80歳以上になる。

変わらぬ食欲
 同園によると、ナナは今年もこれまでと変わらず、ジャガイモや青草、麦かん、ニンジン、リンゴなど毎日80~100キロの餌を食べている。ただ高齢に配慮し、サプリメントも与え、関節が弱くならないように気を付けている。

 体調は良好だが、年齢から「だんだんと顔の彫りが深くなってきた」と柚原園長。背中のラインも少し落ちてきた。かつては飼育展示係に攻撃的になる様子も見られたが、性格も丸くなり、室内と外の獣舎の出入りにごねることはない。就寝時も見回りの人が来ると必ず起きていたが、最近は「かまわず寝ていることが多い」という。

贈り物や手紙も
 ファンからのプレゼントの数はホッキョクグマ「アイラ」の次に多く、スイカやリンゴなどが毎週届けられる。最近は砂が送られ、ナナはうれしそうに声を上げて砂浴びを楽しんだ。ゆっくり時間をかけて食べられる柳の木も大好物だ。

 半世紀以上前に建てられた獣舎の環境は良くはないが、慣れ親しんだ場所で、大病もすることなく元気に年を重ねてきた。「ナナ、元気でね」-。たくさんの手紙も届く人気者は、多くの人々に愛されながら、毎日をのんびりと過ごしている。(松田亜弓)

関連写真

  • 宿直員が見回りに来てもぐっすりと寝息を立てて眠るナナ(昨年6月)

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