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重文の旧双葉幼稚園園舎 財政・人材ともに足りず苦悩

会員募集を呼び掛ける文書の送付は1通ずつ手作業で進められている。3人で約600通を送る予定だ

 国の指定重要文化財(重文)「旧双葉幼稚園園舎」(帯広市東4南19)の保存管理に向け、今年1月に発足したNPO法人「双葉の露(つゆ)」が会員確保に苦しんでいる。草刈りや垣根の整備などの年間維持費は会費で賄う計画だが、現状では年約100万円ほど不足する。同法人は「せめて土・日曜日は一般開放したいが、人もいないし、お金も足りない」と頭を痛めている。

 NPO法人は卒園生らが今年1月に設立し、4月に道の認証が下りた。建物の管理・修繕、観光や文化資源としての活用など歴史的建築物の保存が狙いだ。

 旧園舎の年間維持費は芝刈りや生け垣整備、除雪、水道・電気代などで約110万円が必要とされる。ただ、会員登録を呼び掛けるためのパンフレット代などの事務経費、土・日曜日の一般開放のスタッフなどを含めると「最低限150万円は必要」(理事の川村善規さん)という。

 11日現在の会員は正会員36人、協賛個人会員26人、協賛団体会員2団体で、約50万円が集まった。草刈りや水道・電気代の支払いはできているが、10万円ほど掛かるという刈った草の処理はそのまま。「会員募集へ向けた取り組みにもお金が掛かる」(川村さん)と悩みは尽きない。

 11日には旧園舎で、会員募集を呼び掛ける文書の送付作業を行った。2017年の一般公開の芳名帳を基に、ポストカードなどを入れて約600通を発送。今後は卒園生に向けた呼び掛けも考えている。

 6月に旧園舎で行われた作品展「トレス・アニョス展」には1000人を超える来場があり、募金も約3万円集まった。関心の高さは感じられるものの、川村さんは「雨漏りは根本的な解消が必要で、資金が安定しないと改修計画も作れない。資金、人材ともにまだまだ足りない」と話す。

個人、団体会員募集
 年会費は正会員1万円、協賛個人会員2000円、協賛団体会員1口2万円。問い合わせは「双葉の露」(080・2864・0635)へ。ホームページ(https://futabanotuyu.com/)からも申し込みができる。(松田亜弓)

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  • 国の重文に指定されている旧双葉幼稚園園舎

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