認知症「かたつむりカフェ」始動 広尾
【広尾】認知症の人やその家族などが語り合う「かたつむりカフェ」が18日、町内の看護小規模多機能型居宅介護施設「ケアハウスグランパランHIROO」(丸山通北4)で始まった。町や施設ではなく、住民団体が「認知症カフェ」を開催する例は管内でも珍しい。
「かたつむり」のように、ゆっくり一歩ずつ認知症になっても希望が持てる地域づくりを推進していこうと、町の認知症サポーターステップアップ講座の修了生でつくる「かたつむりの会」(田村久男会長)が主催している。参加者を認知症当事者や家族、サポーターや専門職に限定することで話しやすい環境をつくり出す。1月と3月の試験的な開催を経て今回正式に始動し、今後は毎月第3木曜日に開催する。
今回は約30人が参加し、約半数が当事者や家族だった。当事者中心と家族中心の2グループに分かれ、コーヒーやケーキを味わいながら、自己紹介や雑談などで約1時間半交流した。
サポーターの工藤雅秀さん(78)は「普段はあまり話さない当事者の方にも笑顔が見える。当事者、家族の参加が増えればより良い方向に向かうのでは」と話していた。
活動を支援する倉橋健認知症地域支援推進員は「町内に対象者が約300人いる。物忘れなどの違和感を感じている方は、気軽に情報交換を」と参加を呼び掛けている。
次回は5月16日午前10時から同施設で開かれる。問い合わせは町地域包括支援センター(01558・2・3370)へ。(石原秀樹通信員)