今年はちゃんと耕せる! ひとりぼっち農園連載 横山さんがトーク まちマイ緑園中エリア編
まちマイ2019緑園中エリア編では、トークイベント「十勝ひとりぼっち農園~トーク編~」を、3月29日に帯広市民農園サラダ館で開催した。自ら畑を耕す「日本一のカレー作り」を目指して帯広に“移住”し、週刊少年サンデーで「十勝ひとりぼっち農園」を連載中の漫画家横山裕二さん(42)を招き、野菜栽培や十勝の印象、漫画家の仕事などについて語ってもらった。トークイベントの概要を紹介する。(藤島諒司)
十勝で野菜を作るきっかけは、週刊少年サンデーの編集長です。前の連載をしているときに「十勝に行かないか」と言われ、東京を離れることに抵抗はありませんでしたが、当時は十勝に対するイメージがなかったですね。来てみて最初の印象は「だだっ広くて、何を食べてもおいしい。住むなら最高なんじゃないか」とワクワクでした。
十勝に来て驚いたことを食文化で挙げると、スーパーに売っている漬物にニシンやサケが入っていること。なんでせっかくおいしい漬物を魚臭くするのかと不思議だったが、今年の冬に居酒屋でニシン漬けを食べてみると「これはうまい」と納得がいきました。
簡単じゃなかった…
農業1年目は畑作りから始まりました。床屋さんなどで話すとトラクターを貸していただき、劇的にスピードが上がった。畑で作ったのはカレー作りを意識してジャガイモ、ニンジン、タマネギをメインに、ソバやナス、キュウリ、トウモロコシなど。ただ一番簡単だと思っていたジャガイモとトマトが病気や日照不足などで失敗してしまった。今年はリベンジだけでなく、おいしい野菜を作りたい。
おやじが来る!
実家が兼業農家で、この企画のおかげで「ちゃんと農業やっているのか」と電話があって、会話のない親子の会話も生まれました。帰省したときに「おやじ、手伝いに来ればいいじゃん」と話すと、「じゃあ行くか」と今年の夏にはおやじが来る予定になっています。
漫画家を目指したのは、小学生の頃にはやった「キャプテン翼」。それまで人気だった野球から一変して、漫画の影響でみんなサッカーをやりだして、みんなに影響を与える漫画のすごさを実感しました。
実際にペンを入れて漫画をしっかり描いたのは大学を卒業してから。将来漫画家になりたいと思いながらも、大学を卒業して23、24歳の頃、「俺は漫画家になりたいんだった」と思い出して描き始め、29歳でデビューすることができました。
そしていよいよ、4月12日に「十勝ひとりぼっち農園」の単行本1巻が発売になりました。この巻では十勝に来るまでのエピソードを収録していますので、お楽しみください。
今年は去年と違って4月からちゃんと畑を耕せそうなので、おいしい野菜が作れそう。その様子を漫画でお楽しみください。
目指すカレー像は
イベント後半では、帯広南商業高校クッキング部がレシピを考案し、サラダ館内の「味工房ほなみ 帯広の森店」が野菜提供・調理でコラボレーションした「南商トマトチキンカレー」を参加者全員で実食した。
「カレールウを使わないものとしてはスタンダードな仕上がりで、時間と手間がかかりすぎないのが特徴」とクッキング部。実際に食べた参加者には「辛めだがまろやかでおいしい」「ぜひ商品化してほしい」などと大好評だった。
ほなみでは、運営する北王農林(幕別)の自社農園で作ったメークインや大豆を使用。中札内産の鶏肉や十勝産牛乳も使い、地元産食材にこだわった。現場責任者の山田裕里子さんは「スパイシーさを強調しながらも蜂蜜などを加えることでまろやかに仕上がった。おいしそうにお代わりしてもらえてうれしい」と話した。
横山さんも「とてもおいしく、自分の目指すべきカレーとして参考にしたい」と話していた。
<よこやま・ゆうじ>
1977年山口県生まれ。「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に作品を投稿し29歳でデビュー。趣味は自転車、読書、映画鑑賞など。十勝毎日新聞では毎週金曜日に「十勝ひとりぼっち農園 勝毎出張編」を掲載している。
◆特集ページ
・緑園中エリア編-十勝毎日新聞電子版特設ページ
連載漫画
・十勝ひとりぼっち農園 勝毎出張編
連載記事
・十勝ひとりぼっち農園日記
Twitter
・横山裕二農園長(@gessanyokoyama)-作者のTwitterアカウント。近況などあり。